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毎年11月の感謝祭翌日に開催され、小売業者が一斉に大セールを実施して年末商戦のスタートを切る「ブラックフライデー」は近年、フランスで論争の的となってきた。

フランスの小売業者らは今年も、各地でブラックフライデーのボイコットを呼びかけている。4つの主要小売業団体は仏紙ジュルナル・デュ・ディマンシュに出した共同声明で、フランスでのブラックフライデー禁止を求めた。こうした動きは年々活発になっている。

仏議会は2019年、廃棄物削減策として、ブラックフライデーの特売に関する国内での宣伝を全て違法とする改正法案を可決した。ブラックフライデー禁止を支持する人の多くは、セールに出される商品20点のうち1点が名ばかりの“値引き品”で、実際には同じ値引きが通年で行われていることを明らかにした英消費者団体「ウィッチ?」の調査結果に言及している。

改正法案には「2013年に米国から輸入されたブラックフライデーは、過剰消費の広告価値に基づき、大量消費主義を盛大に賛美するものだ」との文言が含まれている。昨年は約600社がブラックフライデーをボイコットした。

フランスは労働組合の活発な活動で有名だ。ボイコット支持者の多くは、ブラックフライデーのセールにより製造業者や小売業者の収入が不当に低くなると考え、雇用の不安定化につながることを懸念している。仏BFMテレビによると、フランスの小売業者は政府に対し、ブラックフライデーのセールを行う大企業から中小企業を守るための措置として、ブラックフライデーの禁止を要請した。

フランスの事業主らは、平等な条件で営業することが求められる。商店に許可されているセールは1月と7月の2回のみで、その日程は法律で定められている。ブラックフライデーは米国で1950年代に誕生したが、フランスには2013年まで持ち込まれなかった。小売業者はブラックフライデーへの参加が許されているが、規定のセール期間ではないため、赤字を出す投げ売りは禁じられている。

しかし政府はブラックフライデーの消費者行動までは規制できず、多くの人が海外を拠点としたオンラインショップを利用可能であり、政府はそうしたサイトでのセールには対処できない。

今年は新型コロナウイルスの流行により問題が複雑化している。ロックダウン(都市封鎖)により小規模な商店やスーパーは既に生活必需品以外の販売をやめているため、フランスの消費者は地元の店舗ではなくオンラインで国外から商品を購入する可能性が高まっている。

フランス・テレビジョンが報じたところによると、同国では昨年、ブラックフライデーの売上高が総額59億ユーロ(約7300億円)に上り、うち10億ユーロ(約1200億円)がネットでの売り上げだった。

編集=遠藤宗生

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