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Photo by Joe Raedle/Getty Images

バラク・オバマ前米大統領は、ドナルド・トランプは人々が異人種に対して持つ不安感や人種差別的な感情を“理解した上で”、意図的にあおってきたと厳しく非難している。

オバマは11月17日に発売される回想録『A Promised Land』のなかで、トランプ大統領が誕生した背景について考察。CNNが紹介した同書の抜粋によると、トランプは人種差別的な感情を分かった上でオバマの出生地に関する虚偽を陰謀説として広め、高まった人々の不安感を「利用したのだ」と書いている。

トランプはオバマが米国生まれではないと指摘。そのため「非合法の大統領だ」と繰り返し主張していた。そのトランプが広めた陰謀説による混乱を鎮めるため、出生証明書の謄本を公開したオバマは若いスタッフたちに向かい、「米国はこんなものではない(もっと優れている)はずだ」と語ったという。

また、米国の第44代大統領に就任したオバマは人種差別主義が自身の任期にどのような影響を与えたかについて、次のように語っている。

「まるで、ホワイトハウスに私がいるというそのこと自体が、自然の秩序が破壊されたという感覚、深在性の強い恐怖を引き起こしたかのようだった」

一方、先ごろ行われた大統領選で勝利し、米国の次期大統領になることが確実となったジョー・バイデンを2008年の大統領選で副大統領候補に選んだ理由については、「立法についての見識があり、議会との“仲介人”の役割を果たしてくれることを期待したからだ」と説明している。

オバマによれば、ミッチ・マコネル上院院内総務(ケンタッキー州選出)をはじめとする共和党の議員らは、大統領よりも白人であるバイデンと働きたがったという。“(彼らにとっては)黒人であり、イスラム教徒で社会主義者である”オバマと「協力しているように思われることを避けようとしていた」と述べている。

サラ・ペイリンが変えた共和党


オバマは過去4年間、後任であるトランプをほとんど批判することなく過ごしてきた。これは、歴代の大統領たちの大半が受け継いできた伝統だ。だが、バイデンが候補者として戦った今回の大統領選では、何度かトランプに厳しい言葉を浴びせている。

10月にミシガン州フリントで行った集会では聴衆に向かい、「トランプにとって重要なのは、自尊心を満たすことだ。ジョーにとって重要なのは、あなた方と、あなた方の家族を守ることだ」と訴えた。

また、新著の中でオバマは、共和党の“闇の精神”をみるようになったのは、2008年の大統領選で、同党の大統領候補だったジョン・マケイン上院議員(故人)が副大統領候補にアラスカ州知事だったサラ・ペイリンを選んだときからだと述べている。

「長年にわたって現代の共和党の片隅に身を潜めていた闇の精神(外国人嫌悪、反知性主義、偏執な陰謀説、黒人・褐色人種の人々に対する嫌悪感など)が、ペイリンを通じてステージの中央に躍り出ようとしているように思えた」

編集=木内涼子

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