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2020.11.30 16:00

眠りのプロと考える、ベストなマットレスの選び方

IDC OTSUKAでは、眠りのプロフェッショナルである「スリープアドバイザー」が、マットレスだけでなく家具も含めた快適な寝室作りのサポートをしてくれる。

最高の眠りを求める人が増えている。しかし眠りの質を大きく左右する「マットレス」は、ブランドもモデルも多種多彩であり、そこから自分の好みにあうタイプを探し出すのはかなり難しい。

そこで9月25日にオープンしたIDC OTSUKAの寝室に特化した専門店「IDC OTSUKA Bedroom Gallery GINZA」で、『レガリア』、『シーリー』、『シモンズ』という人気の3つのマットレスブランドが持つそれぞれの特徴を、徹底比較していきたい。



ベッドは“家具”から“健康器具”へ


日本の住宅事情を考えると、スペースは可能な限り有効活用したい。そのためベッドも下に収納スペースを設けるなど”家具“のひとつとして考えられてきた。そんな常識を覆したのが、IDC OTSUKAだった。同社は日本の眠り環境を改革すべく、ベッドを家具ではなく“健康のためのもの”と考えた。そして眠りの先進国であるアメリカから優れたマットレスを輸入。1993年からはアメリカの老舗マットレスメーカー「キングスダウン」を扱い始める。

「良いマットレスの条件は、体のサポート力と体重を均等に分散する“体圧分散性”、さらに耐久性や通気性も重視されます。理想の寝姿は、自然に立っているときの状態と同じ姿勢になれることです。しかし寝心地の好みというのは千差万別ですから、理想のマットレスを選ぶのは難しい。例えばマットレスの寝心地を語る際には、硬い、柔らかいという尺度があります。

日本では長らく、畳の上に布団を敷いて寝るというスタイルで暮らしていたため、硬い方が好まれ、柔らかいと腰を痛めるといわれてきました。しかし実際には、良いマットレスは、からだのS字ラインに沿って支える“芯のある柔らかさ”があります。固定概念を捨てて、実際にできるだけ多くのマットレスを体験するのがいいでしょう」とIDC OTSUKAのプランニングマネージャーを務める滝崎敏之は語る。

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今回お話を伺ったのは、IDC OTSUKAのスリープアドバイザーである、滝崎敏之さん。

では理想のマットレスに出会うための良い指標はないのだろうか?

「現在、IDC OTSUKA Bedroom Gallery GINZAでは、キングスダウンと共同開発しているオリジナルブランドの『レガリア』を筆頭に、『シーリー』と『シモンズ』の3つのメーカーのマットレスを扱っています。どのマットレスも見えない場所に独自のこだわりがあるので、その特徴を知っておくとよいでしょう」

それが以下の4点だ。

1:ベッドの寝心地を大きく左右する「コイル」。
コイルは大別すると、二種類ある。基本的には、独立したコイルを袋(ポケット)に包んで敷き詰める「ポケットコイル」は、体圧がかかる部分が深く沈むために、耐圧分散性に優れている。ただし袋に包むため、通気性が悪くなる傾向がある。「ボンネルコイル」は並べたコイルを縦横で連結して一体化したもの。体圧を面で支えるため、寝心地はやや硬めになる。ポケットコイルよりも通気性に優れる。

2:各ブランドの開発力が問われる「構造」。
基礎部分となるコイルの上に、ウレタンなどの層を重ねるのがマットレスの基本構造。通気性の良い素材、高反発や低反発など反発力の異なる素材などを組み合わせることで、理想とする寝心地を作っている。どこにどういう素材をどのような厚みで組み合わせるのか。ブランドのノウハウが問われる部分である。

3:取り回しがしやすくなる「軽さ」
体圧の負担を平均化させるために、マットレスは定期的に頭側と足側を入れ替えてローテーションする必要がある。またシーツを取り換えるなどベッドメイクする際にはマットレスの端を持ち上げる必要もある。そのため、重いよりは軽い方がメリットは大きい。

4:毎日使うものだから必須の機能「抗菌」
いくらシーツを使うとはいえ、寝転ぶ場所であるので抗菌能力はしっかり欲しい。

この4つの視点から、3ブランドのマットレスの特徴を読み解いていこう。

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専業ブランドの技術と日本人の眠りの嗜好が融合した「レガリア」



レガリアは、様々な性能を持つウレタンを多層的に積み重ねて理想的な寝心地を探求する。

1904年に創業し、100年以上もマットレス専業を貫くアメリカの名門「キングスダウン」とIDC OTSUKAが共同開発したのが「レガリア」。製品は全てアメリカの工場で製造しているのも特徴だ。

1:「コイル」
グレードによって「ボンネルコイル」と「ポケットコイル」を使い分けるが、高級ラインは「ポケットコイル」を使用。モデルによっては、長さの異なる2種のポケットコイルを使用する場合や、独自に開発した特殊コイルを使用している。

2:「構造」
今回取り上げる3ブランドの中では最も多層式。高反発や低反発、両方の特徴をもつ独自素材などが精緻に構成されている。通気性はもちろん、寝転んだときに腰にあたるセンター部分のサポート性を高めるなど、素材を細かく使い分けることで、徹底的に寝心地を追求する。

3:「軽さ」
内部構造が充実しているため、やや重めであるが、素材の改良などで軽量化が進んでいる。

4:「抗菌」
外装生地に、抗菌・防臭効果のあるサニタイズ加工を施している。さらにIDC OTSUKA Bedroom Gallery GINZAのみで扱っている「ザ・グランレガリア」では、銀と銅を混ぜた抗菌ウレタンを使用する。


プレミアムマットレスブランド「レガリア」は、3グレード全10種のマットレスで構成される。こちらは「レガリア」の人気モデルである「レガリア グランデュール」。クイーンロングタイプで、価格は98万4,000円(マットレスのみ)。


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理論的に寝心地を研究する「シーリー」



コイルにこだわるシーリーでは、「ポスチャーテックコイル」の機能性を目で確認できるサンプルキットも用意される。

1881年にアメリカのテキサス州で創業したシーリー。IDC OTSUKA Bedroom Gallery GINZAで展開しているマットレスは、日本市場に合わせて寝心地を研究し、日本の工場で製造している。

1:「コイル」
1989年に整形外科医と共同開発した「ポスチャーテックコイル」を使用。これはボンネルコイルの改良版で、コイルの巻き方が丸ではなく長方形。隣のコイルの接続部は蝶番にように作用し、コイルの向きを交互にすることで荷重に対する傾きが補正されて安定性が高まる。上位モデルには改良版の「Sealy ReSTコイル」を使用。また沈み方にも特徴があり、体重が軽くても重くても加重がかかるにつれて反発力が強まるので、誰もが心地よいと思える寝心地を実現する。

2:「構造」
基本的にはウレタンなどの構造はそれほど用いず、“コイルで勝負する”のがシーリーの方法。しかし近年はIDC OTSUKAとの共同開発が進んでおり、自慢のコイルにウレタンなどの層を加え、さらなる寝心地の向上に力を入れている。

3:「軽さ」
ボンネル式のポスチャーテックコイルは、構造的に軽いので、マットレスも比較的軽量になる。

4:「抗菌」
一部の主要マットレスには、天然の銀イオンの効果でバクテリアなどの繁殖を抑制し、24時間以内に99%以上を抗菌する「ポリジン」をいう技術を使用。この技術は1ジャンル1社しか使用が許可されていないため、マットレスではシーリーのみの仕様となっている。


シーリーの最上級ラインである「ラピスラズリ」。こちらはクイーンロングタイプで、87万1,819円(マットレスのみ)

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知名度とブランド力はNo.1の「シモンズ」。



IDC OTSUKA Bedroom Gallery GINZAでは、マットレスの寝心地だけでなく、快適な眠りへと誘う、内部構造も目で確認できる。

帝国ホテルやザ・ペニンシュラなどの高級ホテルなどで使用されており、日本においても圧倒的なブランド力と知名度を誇る「シモンズ」。1870年にアメリカのアトランタで創業された老舗で、日本への導入も1960年代とかなり早い。一部を除き日本人向けに国内生産されており、日本人好みの寝心地を追求している。

1:「コイル」
シモンズは、1925年に「ポケットコイル」の商業化に成功した名門。巻き数や太さの異なるコイルを多数用意しており、その組み合わせによって寝心地を追求している。ポケットコイルを入れる袋の素材にもこだわっており、強度だけでなく、通気性にも配慮している。

2:「構造」
ポケットコイル技術に絶対的な自信を持っているため、国内品はウレタン層は比較的薄い。

3:「軽さ」
本来なら重たいポケットコイル式だが、ウレタンなどの層が薄いため、バランスの取れた重みに。

4:「抗菌」
ウレタンとウレタンの間に抗菌仕上げのバックシートを挟んでいる。


ポケットコイルを開発したシモンズでは、コイルの性能やバリエーションへのこだわりが深い。

3つのブランドにはそれぞれに魅力な個性がある。最終的には、IDC OTSUKA Bedroom Gallery GINZAで寝心地を体験する必要があるが、マットレスブランドの違いを理解しておけば、より明確に理想に近づくことができるだろう。


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