日本男子テニス選手史上、5人目のATPツアーシングルス優勝者の西岡良仁。錦織圭に次ぐ存在として知られ、現在は全日本男子プロテニス選手会理事も務める。
西岡はテニスクラブを経営する両親のもとで4歳からテニスを始めた。2007年には全国小学生テニス選手権で優勝。中学3年の秋から3年間は、錦織圭の後を追うようにアメリカのIMGアカデミーでテニス漬けの日々を送り、高校卒業後の14年にプロに転向した。西岡の魅力は、テニスコートから飛び出してなお光る。
17年、YouTubeチャンネル「yoshi’sチャンネル」を開設。テニスのハウツーや自身の試合を振り返る動画をはじめ、他選手らとのコラボ動画などユニークな企画を多く投稿している。今年7月には、国内最大級のスポーツメディア「SPOSHIRU(スポシル)」とD2Cブランド「TENTIAL(テンシャル)」を手がけるTENTIALに投資を行った。
日本では本田圭佑が有名だが、スポーツ選手のスタートアップ投資の事例は増えている。その影響を受けての決断だという。
きっかけは、17年に左膝前十字靭帯を断裂したこと。テニスだけでなく、ほかのこともしなければいけない。未知の分野への好奇心と、ある種の危機感からだった。西岡は、「この先何があるかなんて誰にもわからない」と語る。
あらゆる分野をまたぎ活躍を広げる彼は、どんな世界を私たちに見せてくれるのだろうか。
にしおか・よしひと◎1995年、三重県生まれ。プロテニス選手。世界ランキング52位(10月6日時点)。SNS、YouTube、オンライン教室と、インターネットを利用した自己発信を積極的に行う。