劣等感の塊から人気YouTuberへ 居場所を見つけたエミリンの快進撃

YouTuber エミリン(大松絵美) 

150万人以上のチャンネル登録者数を誇る人気YouTuberのエミリン(大松絵美)。27歳になった今年は、動画だけでなくアパレルブランド「EDNA(エドナ)」を立ち上げ、11月16日には、初の著書『ここは負けても死なないテーマパーク』(宝島社)を刊行。テレビ出演も話題になるなど、快進撃を続けている。

元アミューズ所属の芸人という経歴や、「グアムの海で念願の人魚になりました」などのぶっ飛んだ動画から、面白くて器用なイメージを抱く人も多いだろう。しかし、本人は「幼い時から自己肯定感が低く、何をやらせても人よりできない。唯一そんな自分が認められた居場所がYouTubeだった」と話す。

劣等感の塊で、そんな自分がどうしても好きになれない。デキる人を妬んで、ダメな自分と比べてしまう。前向きに変わりたいのに、自分で自分を否定してネガティブから抜け出せない──。

アナウンサーや声優になりたいという夢に敗れ、芸人としても思い通りの結果が残せず、一時は「この世から消えたい」と思ったこともある。

そんな自称「卑屈ブス」だったエミリンが、前向きに変わることができたのはどうしてなのか。なぜ多くの視聴者を惹きつけ、トップYouTuberになれたのか。エミリンに、自分の強みや居場所の見つけ方について聞いた。


どうせできない。何をやってもダメ


私は小さい頃から不器用で、何をやらせても中途半端。運動神経も悪くて、いつもパッとしない「女版のび太」みたいな子でした。

特技もなくて、元々の性格もネクラ。「どうせ何をやってもダメなんだ」って、自分で自分を諦めてしまっていたんですね。いつの間にか「できないことは最初からやらない」っていうスタンスが染み付いちゃって、自己肯定感もものすごく低かったです。

当然新しいことに挑戦することもなかなかできずにいて、褒められたとしても「営業トークがお上手で何よりですぅうう!」と素直に喜べないような卑屈ブス。そんな自分が大嫌いだったし、自分で自分を追い込むような思考回路から抜け出せないことが、すごくしんどかった。

「人前に出て声を使う仕事がしたい」という夢を持った私は、ひょんなことから芸人になりました。アナウンサー志望で受けに行ったアミューズのオーディションで、直前で芸人枠に変更したんです。

その芸人時代もやっぱり、「どうせできない」とか、知りもしないのにイメージだけで、やらず嫌いをしては、行き詰まっていました。

実はYouTubeに対しても、最初は毛嫌いしていたんです。よく知りもしないくせに、「交差点でメントスコーラやってる人たちでしょ?」って(笑)。何もしないうちから「できない、やらない」の理由を探していたのかもしれません。
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構成=松崎美和子 写真=小田駿一

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