劣等感の塊から人気YouTuberへ 居場所を見つけたエミリンの快進撃


でも、周りからはずっと、「エミリンは絶対YouTubeが向いている」と言われ続けていました。

YouTubeは、視聴者が見たいと思ったチャンネルを、自分で選んで楽しむ媒体。私って、たぶん、お茶の間のみなさんから好かれるようなキャラクターではなくて、好きな人にはすごく好かれるけど、嫌いな人にはめちゃくちゃ嫌われるほうのタイプなんですよね。だからこそ、YouTubeが向いているんだと、今ならすごくよくわかります。

芸人として3年ほど活動したのですが、結局鳴かず飛ばず。やっぱりダメだ、もう就職しようと思ってUUUMの社員採用試験を受けに行ったところ、「もったいないよ」と言われてクリエイター側で採用されました。

「やらず嫌い」を発揮していたYouTubeを2018年に始めたことで、私の人生が全部動き出したんです。

自分をさらけ出したらファンが増えた


YouTubeを始めてはみたものの、私には何の「武器」もありません。人気の芸人さんのようにいつも面白いことが言えるわけでも、特技があるわけでもない。それでも「世に出たい」という気持ちは強かったんです。

そうなった時に、私は「人間力」で戦うしかないと思いました。自分自身でぶつかっていくしかないと。だから、仕事としても、プライベートについても、私は「全部言う人」になろうとこの時決めたんです。

自己肯定感が低いことも、弱いところも、ネガティブな気持ちも、全部言う。正直にさらけ出す。それをやり始めてみたら、「すごいわかる!」って動画のコメント欄で共感が生まれていって、私のことを「身近に感じる」と言ってくれる人が少しずつ増えていきました。

どんなにポジティブそうに見える人だって、毎日24時間ポジティブでいられるわけではないし、視聴者さんの中には、私と同じようにネガティブな子もいれば、自己肯定感が低いことに悩んでいる子もいて。

YouTubeの動画を通して、会ったことはないけれど、私のことをちょっとした友達とか、遠い親戚みたいに思ってくれる人が増えたことは発見でしたね。



自分の感情に正直になる、思っている言葉を発信する、考えを声に出す──。

今回書かせていただいた本『ここは負けても死なないテーマパーク』では、ネガティブな自分をポジティブに変えたいとずっと思い続けてきた私が変わるために始めた「自分ルール」をたくさん紹介しているのですが、そのなかでも大きく自分を変えたのはこれじゃないかなと思ってます。
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構成=松崎美和子 写真=小田駿一

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