TikTokをライバルと見据えるインスタグラムは今年8月、最長15秒の動画を作成・投稿できる機能「リール(Reels)」を導入したが、新たなトップ画面の下部には、リールの専用タブが追加され、リール動画へのアクセスが容易になった。
この動きは、インスタグラムが本気でTikTokを追撃していく姿勢を示している。同社の責任者のAdam Mosseriは公式ブログで「インスタグラムにとって今回の変更は大きな意味を持つ。インスタグラムのホーム画面は、長い間大きく変わらずにいた」と述べた。
インスタグラムによると今回のアプリの刷新は、過去10年間で最大レベルのものだという。「人々が文化を生み出し、楽しむ方法は変化した。そうした中で、インスタグラムにとっての最大のリスクは、変化を早め過ぎることではなく、変化せずに時代から取り残されることだ」とMosseriは述べた。
過去2年の間で、TikTokは米国や世界で急激に支持を高め、インスタグラムを脅かすようになった。インスタグラムは約1年前からReelsのテストをブラジルで開始し、トランプ政権がTikTokを敵視し始めた8月に、米国でも利用可能にしていた。
しかし、TikTokはその後も米国で生き残り、インスタグラムのリールがどこまで支持を獲得できるかは未知数だ。多くのユーザーは、既にTikTokで公開した動画をインスタグラムのリールで再投稿したり、TikTokで広まったミームを用いてリールの動画を作成する傾向にある。
インスタグラムは、リールの利用動向に関するデータを現時点では開示していない。
米国版アプリのトップ画面には、インスタグラムから外部の小売業者の商品を購入できる「ショップタブ」も追加された。同社は約2年前から、Eコマースへの注力を進めてきたが、専用タブが新設されたことで、その動きがさらに鮮明になった。
その他の新機能としては、写真に写り込んだプロダクトをタグづけする機能や、アプリ内で直接、決済を可能にするチェックアウト関連のツールも導入された。