生理の話は「タブー」ではなくなった? MERY世代女子たちのカラダのリスク

アンケートから見えてきた、若い世代が疎かにしがちな自分のカラダ/photo by Annika Gordon on Unsplash


MERY世代女子に今、心がけてほしいこと


フェムテックやDeNAのような動きは、「女性の健康」に対して世の中の関心が高まっていることの現れともいえます。一方で、DeNAがBlue Star Projectを立ち上げた一番の理由。それは、日本における子宮頸がん検診を受けている人の割合が、欧米諸国の70%~80%に対し10人に2人と、非常に少ないことです。しかし、20代~30代の間で子宮頸がんの発症率が急激に増えているというのです。

まだ若いから、自分のカラダのことは気にしたことがない……そんなMERY世代女子たちに向けて、日本産科婦人科学会 産婦人科専門医である吉形玲美先生からメッセージをいただきました。

「私が20年以上、産婦人科医師として臨床に携わってきた中で、とても悲しかったできごとが一つあります。それは、ご結婚されたばかりの20代女性の方が、妊娠を機に産婦人科を受診された際に「進行性子宮頸がん」が見つかったことです。彼女の命を助けるために、赤ちゃんを諦め子宮を摘出する手術を行いました。子宮頸がんの検診は、内診台に上がって子宮の入り口を擦るだけの簡単な検査です。誰もが『これで終わり?」と思うくらいにあっという間に終わります。11月は「子宮頸がん予防啓発強化月間」です。『あのとき検診を受けておけば……』と後悔する方が一人でも少なくなることを願っています」

また、「セルフケアでも子宮頸がんの予防ができる」と吉形先生は話します。

「腟は、乳酸菌が豊富な『おりもの』によって、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のほか、さまざまな病原菌からカラダを守っています。そんな膣の状態を健康に保つためには、デリケートゾーン専用の洗浄料や保湿クリームを使うことが大切です。検診を受けることを基本に、こういった新しい習慣も取り入れて、素敵で健康な生活を送ってください」

お腹をおさえる女性
photo by shutterstock.com

世の中の関心が高まっている今、まだ自分は大丈夫と考えているMERY世代女子たちに向けて、社会全体で「女性の健康」の大切さを伝えていくことは意義のあることです。

日本においても、女性の社会進出が進んでいます。だからこそ、女性特有の健康課題について、もっとオープンに話したり、ポジティブに考えたいと願う人も多いはずです。フェムテックのようなビジネスの動きがさらに活発化し、世の中がさらに変化していくこと。それが、今を生きる、そして未来を創っていく女性たちがより自分らしく生きられる社会の形成につながることを願わずにはいられません。

【調査概要】
調査主体:株式会社MERY
調査方法:LINEリサーチ プラットフォーム利用の調査
調査対象者 :全国20~24歳 女性
有効回答数 :315名
調査時期:2020年10月23日(金)~10月25日(日)

文=MERY Lab

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