そうは言うものの、規模の大小にかかわらず、すべての大学やカレッジが共通して取り入れていると思われる措置がある。それは、職員の一時帰休だ。
たとえば、カリフォルニア州クレアモントにある、学部生が2000人未満で教職員数もわずか200人ほどの小規模なリベラルアーツカレッジであるポモナ・カレッジは、教員以外のフルタイムとパートタイムのスタッフ264人を一時帰休にしたと、地元紙クレアモント・クーリエが2020年9月に報じた。
また、学部生が3万人以上と、規模がはるかに大きい公立のマサチューセッツ大学アマースト校も、スタッフ850人を無期限の一時帰休とする措置をとった。同校サイトによると、そうしたスタッフのほとんどは、食堂や学生寮の運営スタッフだという。
懸念材料はそれだけではない。一般にはあまり知られていないが、多くの大学は、パンデミック前からすでに深刻な財務状況に苦しんでいた。NYTの2020年10月26日付け記事によると、ペンシルベニア州高等教育システム(Pennsylvania State System of Higher Education)の総長は、理事会の席上で、同組織はすでに「おそらく12年以上にわたって(中略)景気後退への対応に果敢に取り組んできた」と述べたという。
ペンシルベニア州高等教育システムは、一流大学とされるウェストチェスター大学など14の大学で構成されているが、過去10年で入学者数が20%近くも減少した。そしていまや、新型コロナウイルスの感染拡大によって、入学者数の減少が加速するおそれに直面している。
経済的なプレッシャーは、「困難な状況」から「これ以上は耐えられない状況」へと変わりつつあるのだ。