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欧州連合(EU)は11月10日、アマゾンがEUの競争法(独占禁止法)に違反したと警告する告知書を送付した。アマゾンはEU圏内で、マーケットプレイスに出店する小売業者のデータを不正に利用したという。

今回の告発は、2018年からアマゾンの外部業者への対応を調査してきたEUの執行機関である欧州委員会が発表したものだ。

欧州委員会は、アマゾンが欧州における同社の2大市場であるフランスとドイツにおいて、「競争リスクを回避し、Eコマースでの優位性を保つため、内部のビジネスデータを組織的に利用している」と述べている。

欧州委員会はまた、アマゾンが同社のロジスティクスを利用する販売者らを不当に優遇しているとの疑惑を調べるために、さらに別の調査を立ち上げると宣言した。新たな調査においては、アマゾンが特定の商品のデフォルト販売者をどのように選択しているか、また、これが不当な優遇措置に該当するかどうかを調べるという。

欧州委員会で競争政策を担当するベステアー上級副委員長は、「アマゾンのように、市場で2つの役割を同時に担う巨大プラットフォームが、競争を歪めないようにしなければならない」と述べた。

ベストアーが指摘した「2つの役割」とは、アマゾンが自社の商品を販売をする一方で、外部の小売業者のための「マーケットプレイス」を運営している点だ。欧州委員会は、アマゾンがマーケットプレイスの運営者としての立場を利用して、外部の業者の売上データにアクセスし、自社製品を有利なポジションに置いていると指摘した。

「アマゾンは、マーケットプレイスから得たデータを用いて、自社製品を競争で有利にするべきではない。さらに、アマゾンの物流や配送サービスを利用する小売業者らを、他の業者よりも優遇してはならない」と、ベストアーは述べた。

アマゾンの「2つの役割」の問題は、他の複数の国でも独禁法違反の懸念につながっている。8月には、カナダとドイツの当局が、アマゾンの外部業者への対応について調査を開始した。

独立系のiPhone販売元を排除した疑惑


ドイツの当局は独自に、アマゾンがパンデミック後の需要の高まりの中で、サードパーティの商品の価格設定に、影響を与えようとした疑惑を調べている。アマゾン側は、このような措置は価格高騰を防ぐためだったと主張した。

同様な指摘は米国の議員からもあがっている。昨年、アマゾン幹部のネイサン・サットンは、下院司法省の反トラスト小委員会で証言し、「当社は外部の業者との競争に勝つために、個々の売り手のデータを使用していない」と述べた。

先月、ドイツの連邦カルテル局は、アマゾンとアップルが、iPhoneを販売する独立系の業者を排除するために行った、「ブランドゲーティング」と呼ばれる行為についての調査を開始した。

編集=上田裕資

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