テクノロジー

2020.11.16 07:00

20年電気代無料、EVを格安貸与 エネファントが進める「電気の地産地消」


無料カーポート設置は好評、工事の順番待ちも


災害時の電源供給基地を兼ねた、ソーラーチャージャー付きカーポートの無料設置は地域の企業に好評だ。
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普段は従業員用の駐⾞場としてしか使われていない⼟地を、発電基地として使うことができれば、新たに⾃然を壊すことなく地産のエネルギーを増やしていくことができる。災害時の電力供給にも活用でき、屋根の下は臨時の避難所にもなる。避難所を市内各地に点在させることはコロナウイルスなどの感染症対策にもつながる。

設置している保険会社の社長も、「非常時の電源確保に加え、地域への貢献をアピールすることができる」とうれしそうに語っていた。

また、「災害時の使用を考えていることもあり、予想していたよりかなりしっかりしたもので、ウチが設置したものを見て別の会社からの問い合わせが数件あった」と先日設置を完了したばかりのタイル会社社長。
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この無料のソーラーチャージャー付きカーポートについては2020年10月末現在、契約数170件で、設置済み件数は50件、設置工事待ちの状態が続いている。

災害時用のガレージとして多治見市の施設への設置の計画も進んでおり、「現在設置場所の検討に入っているところ」と市の環境課担当者は話している。

蓄電という課題クリアが成功への鍵


電気を創るといった視点からは順調に見える「エネルギーの地産地消」。電気をためる「蓄電」が大きな鍵となることが予想できる。

水力発電や風力発電などに比べて、太陽光発電は取り組むことができる地域を選ばない。しかし、夜間や曇りの日などは十分な発電量を得られなかったり、発電自体ができないといった欠点もある。

「地産」のエネルギーを安定管理するために、夜間の電力を補う蓄電池が重要になってくる。

EVについては、トヨタ自動車から協力の話があり、近く発売予定の小型EV導入が検討されているが、今後EV以外の蓄電を考える必要もあるのではないだろうか。


エネファントの磯﨑顕三社長

「多治見市での成功事例ができれば、他の自治体にも普及していく」と磯﨑社長が期待するように、街にいくつもの発電蓄電基地を作る動きは、今後の地域におけるエネルギー改革に大きな影響を与える可能性を秘めている。

文=横居拡

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