テクノロジー

2020.11.16 07:00

20年電気代無料、EVを格安貸与 エネファントが進める「電気の地産地消」


2020年9月26日、エネファントはこのサイクルを使い電気料金をなくす「20年間電気代タダの家『フリエネ』」を発表した。

屋根の上に太陽光発電システムを設置し、太陽が出ている時間にソーラーパネルでできた電気をそのまま使うと同時に家庭用蓄電池へ充電。さらにヒートポンプ技術を利用した電気給湯器でお湯をためておく。そして、「フリエネシステム」と呼ばれるエネルギー管理システムで、発電されない時間もためたエネルギーを使い、需要と供給のバランスを調整、管理する。

エネルギーを効率的に管理、使用することで、買う電力を最低限に抑え、余剰電力を電力会社や、他の契約者に売電することで設備費と利益を確保するといったビジネルモデルになっている。街全体ではなく家というミニマムなコミュニティでの地産地消ではあるが、20年間メンテナンス料を含む基本料金以外、電気代は一切かからないというサービス内容に驚かされる。

20代までの社員へEV=蓄電池を貸与 観光利用も視野に


(エネファント提供)

「働こCAR」は、地方で暮らすのに必要不可欠な自動車維持の負担を減らすため、若者を雇用する企業が従業員への福利厚生の一環として、格安で自由に使える車を貸与するレンタカー事業だ。

日本創成会議が「消滅可能性都市」とした多治見市。都会への労働力流出を防ぐ、地元企業の人材不足対策として「働こCAR」は始まった。多治見に住みたいという若者を増やす施策としても期待されている。

この事業では災害時に非常用蓄電池として活用できるEVが採用されており、台数を増やすことで街全体の蓄電量を増やす役割も担っている。



ただ、「若者の自動車離れは想像以上で、自動車を保有したことがある我々にとっては格安と思える使用料も、若者には負担と感じるのでは」(ある企業の社長)という意見もあり、契約数をさらに伸ばしていくのがこれからの課題となっている。

「働こCAR」は多治見市の主催するビジネスプランコンテストで特別賞を受賞した経緯もあり、市としてもEVの導入拡大を積極的に進めようとしている。

多治見市の産業観光課担当者は、「若者向けの個人使用だけでなく、観光客が多治見市を訪れた際、使用できる移動手段のひとつとしての使い方など、観光方面からの導入について模索中」と話している。
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文=横居拡

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