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「20年間電気代タダの家」
「ソーラーチャージャー付きカーポート無料設置」
「29歳以下の社員へEV貸し出し」

目標は「日本一電気料金の安い街」。エネルギーの地産地消を進めるため、ソーラー発電設備の無料・格安提供を地元密着で行っている「エネファント」(磯﨑顕三社長)をご存知だろうか。岐阜県多治見市にあるこの会社は、太陽光発電設備の設置事業を中心に、一般家庭・法人向け小売電気事業、EVによるレンタカー事業を展開しているベンチャー企業だ。

世界中で進められている環境対策への動きからじわじわと注目を集めているのが、再生可能エネルギーによる「地産地消」。その成功への鍵を探った。

地域から立ち上がるエネルギー改革 その課題は?


日本では、2016年4⽉の電⼒⼩売全⾯⾃由化以後も、従来の地域独占型の電力が中心のまま。さらに、2020年上半期の再生エネルギー比率は全体の23.1%と、全体の4分の1にも達していない。

地域で使う電力を「買う」電力から「地産地消」へと移行させることで、電気代は安くなる。地産の発電量が増えれば、発電事業者へ支払う発電料金が減る。また、電気代には電力会社が持つ送配電網の使用料金である「託送料」が含まれているため、もしも、作った電気を離れた場所に送らずにその場でためたり使ったりできれば、託送料は支払わなくても済むからだ。

再生エネルギーを活用するためCO2も削減できる。度重なる災害での停電対策としてもエネルギーの分散化は重要課題である。

だが、実は「地産地消」は単に太陽光発電や風力発電などの設備を増やしていくだけでは実現できない。再生エネルギーは火力発電と比べ、場所や自然の影響を大きく受け、発電量の管理が難しい。

電気は「生もの」と言われるように、その扱いは簡単なものではない。電気の使⽤量は需要の変化とともに⼤きく上下する。

電気がいつどのくらい必要かを予測し、 不足しないように、常に予想必要量の20%ほど多く発電しておく必要がある。使われるかわからない電気のために、常に余分に発電し続けなければならない。そして使われなかった電気はそのまま、余剰電⼒として消えていくことになる。

「地産地消」にはこれらの不安定要素を管理し安定化させていく必要がある。

創る・貯める・配る 「地産地消」のサイクル回す施策


現在、エネファントでは電気の地産地消実現のための3本柱となる事業を進めている。

〈電気を創る〉エネファント…再生可能エネルギー事業、太陽光パネルの販売・施工
〈電気を貯める〉働こCAR…EVレンタカー事業
〈電気を配る〉たじみ電力・とうのう電力…一般家庭・法人向け小売電気事業

「電気を創る・貯める・配るのサイクルを、しっかり回すことができれば、どこから手をつけても、地産地消に向かっていく仕組みになっている」と磯﨑社長は話す。

文=横居拡

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