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Forbes JAPAN Web編集部


思いやりの心を人々に届け、共有するには、その体現者であるハローキティが率先してアクションを起こしていくことが、いまの時代性とマッチしているのだろう。

そう考えると、YouTubeは彼女の声を、日本に限らず世界中に届けるのに最適な媒体だったのだ。さらに「思いやりの提供者」として、ハローキティが最も活躍できるフィールドはどこだろうと考え、木村が注目したのが「社会貢献分野」だった。

国連NY本部に採用された理由


ハローキティチャンネルでは開設当初から、ハローキティと一緒にSDGs(持続可能な開発目標)について学べる「SDGs応援シリーズ」の動画が充実している。なんとハローキティ、このシリーズでは日本各地からバングラデシュ、ヨルダン、ニューヨークの国連本部まで、世界各地を訪れている。

チャンネル開設当時、2018年に電通が行った調査によると、SDGsという名称への認知率は全国平均値でわずか14.8%、2019年には16.0%と、世界規模で取り組むべき課題が未だ浸透していないことがわかった。これは日本に限らず世界各国で共通の課題であり、ハローキティは世界的に人気なキャラクターとして、SDGs伝道師の役割を果たすのではないだろうか。国連との協働が2019年から始まった。

「国連とのプロジェクトとして採用された1番の理由は、やはりキティが思いやりの体現者だからではないでしょうか」と木村は推測する。

「この世界規模の目標は、それぞれの国がエゴを出すのではなく、一緒にやっていかなければ達成できないでしょう。キティはそこに必要な思いやりの部分を担えるとして、選ばれたのではないかと思います」



この「コメ返」動画では、SDGsに関する視聴者からの質問にハローキティがコメントを返している。「私たちが節水しても世界に届く訳じゃないし間接的すぎて本当に効果があるの?」というコメントに対し、ハローキティは「世界規模で考えた時にそれって意味があるの? っていうのは、じつはキティもね、このコメでハッとなって」と率直な感想を言う。

SDGs応援シリーズの動画の特徴は、ハローキティが語ったり、教えたりするのではなく、彼女がいろいろな人に話を聞きに行くという構成になっていること。

誰もが感じる素朴な感想をハローキティ自身も受け止め、だからこそ同じ視点から「キティも考えてみたんだけど」や「調べてみたら……」といった姿勢は、ただの綺麗ごとを述べているのではなく、見る側にも納得感を与える。

彼女の役目は問題を解決することではなく、話を聞くことであり、あくまで一般の人々と同じ意識レベルから、一緒に考えようとしているのだ。

文=河村優 編集=督あかり

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