さらに今回の研究によると、レジリエンスを発達させられるかどうかは、人生への満足度のレベルを上げられるかどうかに左右されるという。これらはさまざまな要素の影響を受けるが、そのうちおよそ60~70%は環境的なもの、残りの30~40%は性格などの個人の資質が占めると、研究は示している。
さらに、レジリエンスや人生の満足度は、社会政策の影響を受ける可能性がある。一例を挙げるなら、都市計画は、確実に大きな変化を及ぼす要素の1つだ。「都市の街並みの整備、近所づきあいや社会との関わりを持つよう促すこと、緑地や公園など、人々がくつろいだり子どもが遊んだりできる場所を設けることなどが挙げられる」という。
社会的なセーフティーネットも、人生の満足度に大きな影響を与える要素だ。
クビシェフスキー博士によれば、求職中の人を支援する強力なセーフティーネットが設けられている国では、失業(あるいは失業するかもしれないという不安)が全体的な幸福度に与える影響が大幅に小さくなるという。
同様に、医療サービスや教育へのアクセス、多額の学生ローンのような重荷の不在も、人生の満足度を全体的に押し上げるのに役立つという。
クビシェフスキー博士の論文は、査読つきのオープンアクセスの学術誌「PLOS ONE」に掲載されている。