ビジネス

2020.11.13

人のつながりを豊かにしたい。斎藤拓泰が「ギフト」にかける想い #30UNDER30

Graciaの斎藤拓泰

次世代を担う「30才未満の30人」を選出する「30 UNDER 30 JAPAN」。今年の受賞者のひとり、現在24歳、Gracia CEOの斎藤拓泰。ギフトビジネスに賭ける想いとは。

「何のために仕事をするんだろう?」。大学1年生にして家庭教師派遣の会社を友人と立ち上げた斎藤は、自分の人生を懸ける仕事について考えるようになった。「価値とは人を幸せにすることで生まれるのではないか」。そう考えた斎藤は、多くの人を幸せにする贈り物(ギフト)をビジネスにしようと決意。在学中の2017年6月にGraciaを設立した。



同社が運営する「TANP」は、24時間いつでもギフト探しができるオンラインサービス。EC機能や物流管理システム等、運営に係るシステム開発からロジスティクス等のオフラインオペレーションの構築まですべてを内製化した、良質な「ギフト体験」を創出する。

創業当初、母の日のギフトの発送が1日遅れてしまったことがある。客からは「今年の母の日はもう戻ってこない」という悲痛な言葉が届いた。会社にとっては数千件の注文のうちのひとつ。しかし、個人にとってはかけがえのないそのときだけのギフトだ。それを忘れてはいけないと心に刻んだ。いまも客から届いた声を欠かさずにチェックしている。

ギフトでは少しのミスも許されない。常にきめ細かな対応をするのが難しいギフトの生産者も少なくない。そこをTANPが請け負い、ギフト市場の成長を目指す。「数年後には日本のギフト業界でトップシェアをもちたい」と斎藤は語る。ギフトの満足度を上げ、ギフトを贈る機会が増えれば、人とのつながりがもっと豊かになるはず。それこそが人生における財産だと信じている。


さいとう・ひろやす◎1996年、福井県生まれ。2019年、東京大学経済学部卒。在学中に現在のCOOとなる友人数人と家庭教師あっせんの事業を立ち上げる。2016年よりCandleでのマーケティング経験を経て2017年にGraciaを創業。

文=Nene Hasegawa 写真=Emi

この記事は 「Forbes JAPAN No.076 2020年12月号(2020/10/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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