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ZoomのCEOであるエリック・ユアン(Photo by Kena Betancur/Getty Images)

パンデミックの影響で株価を上昇させていた、いわゆる「巣ごもり銘柄」は11月9日、製薬大手ファイザーが開発中のワクチンが、臨床試験(治験)で90%以上の感染予防効果を示したとの発表を受けて、他の銘柄と比べて大きく値を下げた。

米国株式市場は9日、パンデミックからの脱出を祝うムードを受けて、ダウ・ジョーンズとS&P500がそれぞれ約4%と3%上昇した。しかし、ビデオ会議のZoomや在宅フィットネスのペロトン(Peloton)、ネットフリックスやアマゾンなどのテック銘柄が主流のナスダック市場はわずか1%程度の上昇だった。

この日の最大の敗者の一つと言えるのが、コロナを追い風に株価を急騰させ、先月末に時価総額でエクソンモービルを抜いたZoomだ。Zoomの株価は9日に15%の下落となった。ただし、同社の株価は年初来では今も500%以上の値上がりとなっている。

在宅フィットネスのペロトンの株価も、同じく約15%の下落となり、年初来の上げ幅は約260%まで縮小した。

一方で、ネットフリックスは5%安という小幅な値動きだった。年明けから70%上昇となっているアマゾンも9日、約3%の値下がりとなった。

その他の銘柄に比べれば、穏やかな下落ではあるものの、TwilioやSlack、Datadogなどのクラウド関連も、それぞれ約3%、1.5% 、1%の下落となった。

ロサンゼルス本拠のHercules InvestmentsのCEOのJames McDonaldは、「Zoomやネットフリックスのような銘柄は、長期的な勝者となるべきだが、実際の収益よりもバリュエーションが先行しているため、短期的には負けるだろう」と述べ、短期的には「収益のピークレベルに達した可能性が高い」と分析した。

しかし、株式の専門家らは9日に見られた傾向が長続きするとは思っていない。デビア・グループのナイジェル・グリーンCEOは、「バイデン新政権への期待から市場は強気ムードになっているが、現状ではワクチンの前向きなニュースを過大評価している。まだまだ長い道のりがある」と述べた。

グリーンCEOによると、次の見極めのタイミングは、ファイザーがFDAにワクチン候補を提出して承認を得る予定の11月の第3週以降になる見通しだ。

テクノロジー銘柄が多いナスダック市場の総合指数は1月以来、約30%上昇し、その他の市場を大幅にアウトパフォームしてきた。一方で、S&P500とダウ・ジョーンズはそれぞれ約11%と2%の上昇に留まっていた。

しかし、9日のファイザーの発表を受けて、パンデミック中に好調だった企業と打撃を受けた企業との間で、逆転現象が起きた。巣ごもり銘柄が値を下げた一方で、銀行やエネルギー関連、クルーズ船会社、映画館の株は急上昇した。

編集=上田裕資

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