ビジネス

2020.12.07

こんまりを生んだ名プロデューサーに聞いた、「世界で勝つ」日本人の共通点

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「日本に最適化」しすぎると世界を見失う


日本国内のビジネスの成功ケースは、「海外から輸入してきたものを日本市場に巧みに最適化する」ことから生まれているものが多い、と土井は指摘する。

だが、「自国への最適化」だけでは世界でトップになれない。「逆に日本に最適化しすぎて世界を見失う場合もあります。世界に打って出ようとするなら、自国への最適化戦略はいっそ、思い切って切り捨てるべきでは」と土井は言い切る。実際に、こんまりの片づけ術も、狭い、収納スペースが限られている、といった日本の住宅事情にはかならずしも最適化せず、「輸出しやすい」メソッドに振り切っている。

何かを極めた「オタク」、相手があっと驚く強い思いの持ち主、その先駆けがこんまりには違いない。グローバルで活躍できる存在には、彼女ほどの思いとスキルが必要不可欠ではある。だが、その「オタク文化」自体を世界に輸出し得た日本には、世界に先駆ける圧倒的ポテンシャルがある、とも土井は言う。

日本人にもっとも必要なこと、それは、まず「マインドで負けない」こと。相手のコンプレックスにまで通じる教養を持つこと。そして、他国の文化に心から関心を寄せ、リスペクトすること、と土井は繰り返す。

「土井メソッド」で輩出される「ポストこんまり」が、2人、3人と世界でトップを取っていく日も遠くはないかもしれない。

>「前編「こんまり」を生んだ土井英司が明かす、計算づくしの世界戦略」はこちら

文=初見 真菜 編集=石井 節子

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