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2020.12.07

こんまりを生んだ名プロデューサーに聞いた、「世界で勝つ」日本人の共通点

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「成功確率の高い先頭集団」と付き合う


土井は著書、『人生の勝率の高め方』で、「成功確率の高い先頭集団と付き合うことの大事さ」を説いている。その上で気をつけるべきことは、「出身国に関係なく、優秀な人とはとことん繋がっておくべき」ということだ。

土井自身、学術やアート業界でのトップたちとの交流を深めていくことで、世界中のデザイナーや美術館関連人脈にネットワークを広げた。

アメリカ、イギリスやフランスなど、いわゆる「メジャーな国」への憧憬を持つ日本人は少なくない。だが、大国小国問わず世界各国の優秀人材は結局、「横連携」して繋がりあっている、と土井は強調する。だから、いわゆる大国の人材だけに媚びを売っても、世界の一流のネットワークには入り込んでいけないのだ。

土井が世界の優秀な人とのコネクションができたのは、彼らに純粋に関心を寄せてきたからだった。「相手に対する関心」を印象づけることで、いわゆる「勝率の高い」集団と付き合うことができる、と土井は言う。

”I am from Japan”でなく”I am from Tokyo”


グローバル人材と対等に戦うには、「自己紹介」にもコツがあるという。出身地を聞かれた時、「国ではなく都市で言う」ことだ。

土井は、米国に住んで他にも気づいたことがある。それは、国土が広い米国に生まれ育ったアメリカ人は「出身都市」を非常に大切にすること、生まれ育った土地に寄せるアイデンティティの感覚が強いことだ。だからこそ、出身を聞いたとき、「アメリカです」ではなく「サンノゼです」や「ヴァージニアのアーリントンです」といった具合に、都市で答える人が多いのだ。

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米ABCの人気トークショー、「Jimmy Kimmel Live!」で司会のJimmyに片付けを伝授する近藤 (Getty Images)

日本人も同様に、出身地に誇りを持っていい、という。まず「相手と対等な立場にある」感覚を持つことが、これからのグローバル人材には必要なのだから。

たとえば東京に住んでいるのであれば、”I am from Tokyo”と言ってしまっていい、と土井は言う。相手がどんな大国出身でも萎縮しないために、「自分のアイデンティティ、出身都市への誇りを持っていることを伝える」ことも鍵になる。

また、相手の出身を聞いた後、都市の中でも「どのエリアの出身か」を聞くといいそうだ。「たとえば、ニューヨーク出身と一口に言っても、ブルックリンなのか、クイーンズなのかで、その後の話題や会話のムードは違ってきます」。また、ニューヨークのような世界都市でなく、知らない地方都市の出身でも、そこはどんな土地なのかを突っ込んでいくことで、相手への強い関心を伝えることができる。
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文=初見 真菜 編集=石井 節子

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