大統領選の結果を巡るトランプの訴訟、勝ち目は薄いとみる理由

Photo by Chip Somodevilla/Getty Images


トランプ陣営の弁護士はウィリアム・バー司法長官宛てに送付した書簡で、「すでにネバダ州から州外に転出した有権者が、同州で投票したという不正行為があった」と指摘している。だが、それらは大半が、法的に認められた投票だったとみられている。

一方、米ニュースサイト「サロン」が報じたところによれば、郵政公社が運用している個人・企業の住所のデータベースを第三者が郵便物の発送以外の目的で閲覧することは認められていないものの、トランプ陣営は同州での不正投票を訴えるにあたって、転出記録などをそのデータベースで確認していた可能性がある。これは、郵便条例と1974 年プライバシー法に反する行為にあたるとみられている。

別の訴訟も検討中とされるが


トランプや共和党によるこうした選挙結果に対する異議の申し立てが、功を奏する可能性は低い。これまでのところ、不正投票があったことを示す証拠はない(郵便投票での不正は、もともと非常にまれだ)。

また、共和党の立会人が「開票作業が行われている場所への立ち入りを拒否された」との主張は虚偽だったことが分かっている(すでにトランプ陣営の関係者が裁判で認めている)。

バイデンの勝利が確実との結果が発表される前、集計結果がまだ判明していない時点から、専門家らはトランプ陣営が多数の訴訟を起こす構えであることに対して、それらの効果について懐疑的な見方を示していた。

ニューヨーク大学法科大学院のブレナン司法センターの民主主義プログラムのディレクター、ウェンディ・ワイザーはABCニュースに対し、「法的な戦略があるとは思えない」「選挙が不正や詐欺に満ちているという誤った印象を与えるための広報活動のようにみえる」と語っている。

編集=木内涼子

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