大統領選の結果を巡るトランプの訴訟、勝ち目は薄いとみる理由

Photo by Chip Somodevilla/Getty Images

投票日から数日をかけて行われた集計の結果、2020年の米大統領選は民主党のジョー・バイデン前副大統領の勝利が確実となり、11月7日にはバイデンが勝利宣言を行った。

一方、ドナルド・トランプ大統領はこの結果を覆すため、法廷で闘うことを明言。訴訟を乱発している。だが、トランプと共和党の提訴によって、連邦最高裁をはじめとする各裁判所が、結果を覆す判断を示す可能性は低いとみられている。

連邦最高裁は6日、ペンシルベニア州共和党が認めるべきではないと主張し、提訴した「投票日の消印があれば6日まで受け付ける」との郵便投票に関する決定ついて、3日までに到着していた票とそれ以降に受理した票は分別して保管することを命じた。

そのため、同州では4日以降に受理した郵便投票の票数を、これまでに発表した両候補の得票数に含めていない。つまり、共和党の主張に従って受け付けの締め切り日が変更されたとしても、集計結果は変わらないということになる。また、分別されている票数は、結果に影響を及ぼすほどの数ではないと伝えられている。

トランプ陣営はそのほか、郵便投票のうち有権者の身元を確認する必要がある票について、確認作業を行う期限を9日までから12日までに延期した同州の決定を破棄するべきだと訴えている。だが、これらの票も現時点までに得票として数えられていないことから、無効票とされた場合でも、最終的な結果に影響は出ないとみられている。

また、最高裁はペンシルベニア州の郵便投票の票の一部を分別しておくことを指示した一方、それらを無効にすべきとの共和党の主張は退けている。トランプ陣営はジョージア、ミシガンの両州でも、票の集計のプロセスに関して訴訟を起こしたが、裁判所はすでに、それらの訴えを退けている。

さらに、陣営はネバダ州でも、不正投票が行われたと訴えているが、その主張はそれ自体が、連邦法に反した行動に基づいて行われている可能性があるという。
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編集=木内涼子

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