実際にファーストクラスでは「今日は寝て過ごしたいから食事はキャンセルで」というお客様や、「◯時までは睡眠を取るから、その後に食事をお願いします」など、飛行機に搭乗された時点で機内でのタイムスケジュールを決めていらっしゃるお客様がとても多いです。
機内で重点的に睡眠を取りたい場合は、当日の朝いつもより早起きをするなど、あえて少し寝不足気味でフライトに臨むのもおすすめです。
「日本時間の夜中に食事をすると太る」?
また、現地時間だけではなく日本時間を考慮することも大切です。
いくら現地時間に合わせて行動していても、体内時計はそんなにすぐには切り替わりません。CA時代、現地で食事をした際に「食べ過ぎたわけではないのに、なんだか胃がもたれるな」と思ったとき、ふと日本時間を確認すると真夜中だったということがよくありました。「日本時間の夜中に食事をすると絶対太る」と話していた同期もいました。
実際に、「今は日本時間では夜中だから食事は軽めのお粥にしておく」など、普段食事を摂らない時間帯には食事の内容を気にかけるお客様も多く、中には口にするのど飴の種類にまでこだわるお客様もいらっしゃいます。
「時差ボケ『逆算』解消法」でリカバリーにも差がつく
機内では食事や消灯のタイミングが決まっていることもあり、どうしても過ごし方が受動的になってしまいがちですが、「時差ボケ『逆算』解消法」を意識して過ごすだけでも、出張や旅の時差ボケや疲労感が軽減するはずです。
仕事の場合はもちろん、旅行の場合でも時差ボケしたまま過ごすのと、万全の状態で旅程をこなすのでは、旅の満足度が大きく変わってきます。また、帰国後の疲労度やリカバリーの速さにも歴然とした差が生まれます。
数時間後、終日後の自分のため、次回の出張やご旅行の際には、ぜひ「時差ボケ『逆算』解消法」を取り入れてみてください。
清水裕美子◎日本航空(JAL)の客室乗務員として国際線ビジネスクラス、ファーストクラスなどを含め約5年乗務する。退職後はCA流美容コンサルタントとしてセミナー、メディアなどで活動するほか、日本初のCAが発信する総合情報サイト「CA Media」を立ち上げる。All Aboutビューティー担当ガイド。最新の著書は、『ファーストクラスCAの心をつかんだ マナーを超えた「気くばり」』(青春出版社、2020年7月刊)。