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ロボット学者で「Robust.AI」共同創業者のロドニー・ブルックス(Getty Images)

人類はロボットが社会を大きく変えることに期待しているが、現在運用されている製品は柔軟性に欠け、複雑な業務に対応できていない。「これまでは、皆やり方を間違えていた。我々はそれを正そうとしており、実現すればすごいことになる」と認知科学者のゲイリー・マーカス(50)は話す。

マーカスは、ニューヨーク大学の教授を務めた後、「Geometric Intelligence」というスタートアップを創業し、ウーバーに売却した経歴を持つ。マーカスは、iRobot創業者で、ルンバの共同開発者として知られるロボット学者のロドニー・ブルックス(65)と組み「Robust.AI」を設立した。

カリフォルニア州パロアルトに本拠を置く同社は、「世界初となる工業用グレードのロボット向け認知エンジン」を開発し、人々が期待するロボット像と今日のロボットとのギャップを埋めることを目指している。

同社は建設現場や老人介護、完全自動運転といった複雑な業務をこなせるロボットを企業が短期間で開発・導入することを支援したいと考えている。

「我々は、人々がより早くロボットを導入できるようにすると同時に、ロボットに対する信頼性を高めたいと考えている」とマーカスは話す。

2019年設立のRobust.AI は10月28日、Jazz Venture Partnersが主導するラウンドで1500万ドル(約15億7000万円)を調達し、累計調達額が2250万ドルに達したことを明らかにした。既存株主であるPlayground Globalも追加出資している。マーカスは同社の評価額については明らかにしていない。

Robust.AIには、他にエンジェル投資家のEsther DysonやVeritas Softwareの共同創業者であるMark Leslie、スカイプの共同創業者であるJaan Tallinn、シリコンバレーの起業家Steve Blankが出資している。

従業員数25名のRobust.AIは、新たに調達した資金をソフトウェア開発や、製品を販売する営業人員の採用に充当するという。同社はソフトウェア会社であるため、導入企業はハードウェアを用意する必要がある。マーカスは、2021年に製品提供を開始したいと考えている。

現実世界で本当に役立つAIロボット


現在50歳のマーカスと65歳のブルックスは、長らくAIの使われ方に疑問を抱いてきた。2人の意見が一致したことが、Robust.AIの設立につながったという。マーカスは、ニューヨーク大学のErnest Davis教授との共著で、AIの限界について記した「Rebooting AI」を出版した後、ブルックスと再会した。

マーカスは、本の執筆を通じてRebooting AIの事業構想を思いつき、ブルックスにアドバイザーへの就任を依頼した。「私は彼に畏敬の念を抱いており、3カ月をかけて彼を口説いた」とマーカスは言う。

編集=上田裕資

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