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2020.12.02

最良の人材を確保するスタートアップの知恵

スモールビジネスオーナーの知られざる武器──それは、数々の困難を乗り越えてきた人間力です。彼らが対峙してきた問題や経験を分かちあえば、きっと、新しい課題の解決につながるはず。

Forbes JAPANとアメリカン・エキスプレスはタッグを組み、日々奮闘するスモールビジネスオーナーの皆さんと共に「お悩みピッチ」を開催しました。それは業界や年齢を超え、経営者同士で日々の課題を共有し、共に解決策を模索する場です。

今や、スモールビジネスオーナーの数だけ悩みがあれば、その数だけ知恵もある。皆で手を取り合い、共に前を向いて進むためのムーブメントをここから起こします。


今回の「お悩みピッチ」は、創業3年目以内のスタートアップ起業家・経営陣の皆様にお集まりいただきました。会社の立ち上げ時に直面するお悩みには、お助け隊も深く共感し、熱いアドバイスを送ります。

お悩み「会社に必要な人材を確保するには?」




今回のお悩み人は、宮崎を拠点に農業ロボットの開発事業を行うAGRISTの高橋慶彦さん。人手不足によって収穫しきれない農作物をロボットで収穫し、農家をサポートするだけでなく、世界の食糧問題の解決も将来的なミッションとしています。

すでに国際市場への展開も決まっており、販路の確保なども順調。事業拡大に伴って、ロボットの機械設計や制御組み込み、ソフト・機械学習開発のエンジニア人材を確保したい、というのがお悩みです。ゼロから市場を切り拓いてきたスタートアップの起業家たちは、どのように共に働く仲間を見つけてきたのか。

最良の人材を確保するために、スタートアップのお助け隊らしいアイデアが4つ出ました。

1.世界中から人材を募集するー募集のパイ(母数)を広げる1
2.フルタイム以外の働き方も受け入れるー募集のパイ(母数)を広げる2
3.達成したいビジョンを明確にする
4.自分のコミュニテイをうまく使う


世界中から人材を募集する


お助け隊一人目は、Stake Technologies代表の渡邉創太氏。日本から世界に通用するブロックチェーン技術の開発を行う希有な存在であり、業界でも注目を集めている若手起業家です。そんな渡邉氏の会社に所属するメンバーは、華麗なる経歴の持ち主たち。物理オリンピックメダリスト、プログラミング大会の優勝者など「天才の宝庫」とも言うべき人材ばかりなのは、世界中から人材募集をしているからだと言います。

「世界に目を向ければ、優秀な人材が溢れています。初期に採用した社員は日本人ですが、3人目に採用したのは日本語の話せない外国人。それをきっかけに自然と英語使用へ切り替わり、今では英語を社内公用語としてメールや連絡ツールでの日本語使用も禁止しています」



驚くべきことに、渡邉氏以外の初期メンバーは英語が話せなかったそう。

「今は精度の高い翻訳ツールもあり、英語が話せない人でも読み書きに問題はないはず。ブロックチェーン技術に必要なプログラミング言語は国籍も関係ないですし、社員の少ない段階だったからこそ英語使用に素早く切り替えられ、社のグローバル化に成功したと思います」

業界の違いはあるので参考にならないかもと前置きして話し始めた渡邉氏でしたが、ゆくゆくグローバル人材の募集を視野に入れていた高橋さんには大きな刺激となりました。


フルタイム以外の働き方も受け入れる


続いてお助け隊二人目は、サステナブル・ラボ代表の平瀬錬司氏。平瀬氏の会社では、サステナブルな社会をより良く実現するために、企業のSDGsの費用対効果や貢献度を定量化しています。平瀬氏は、グローバル化とはまた別の方法で、人材探しの母数を広げる視点を示してくれました。

「働き方の多様性を受け入れるのも大切だと思います。週5日働く以外の選択もできるようにすれば、可能性は大いに広がるはず。スタートアップの領域で活躍できる人は限定されてしまうので、フルタイム以外の『飛び道具』の受け入れも必要だと感じます」



では、組織の中に多様な働き方をする人材を抱えた場合、どうまとめていけばよいか。平瀬氏の会社ではユニークな方法を実践していました。

「社内の報告や相談はすべてSlack上で済ませ、チームミーティングでは、ケーススタディからマクロとミクロの視点を身につけるトレーニングを行っています。また、社長である僕は全社員に対して日報を公開し、毎日どんなことを知ってどんな風に感じたかを共有するようにしています。

うちの会社も、異なるバックグラウンドをもつ多様な人材が集まっている。だからこそ、社員全員が多角的に物事を捉え、会社のトップに立つ人間と同じ視点視座でモノを見ることが重要なんです」


達成したいビジョンを明確にする


お助け隊三人目は、書道家として活動した経歴も持つ多才な吉田勇也氏。吉田氏が代表をつとめるHARTiは、アートを軸にした新しい経済圏の創造に取り組んでいる会社であり、起業時はビジョンを前面に押し出すことで人材募集をしていたと言います。

「僕の会社には、アートを軸としたプロダクトやサービスを通して社会をより良くする、というビジョンがあります。最初の1年間くらいは具体的なビジネスがなかったので、本当にビジョンだけでメンバーも投資家も集めてきました。求人SNS上でも、アートに関わること、ビジョンを明確にしていたことで、たくさんの方に興味を持っていただけました」

お助け隊一人目の渡邉氏も、ビジョンの大切さについて続けます。「いまの若い世代は、作るモノの新しさや社会的貢献をモチベーションにすることが多い。どんなビジョンをもつ会社なのかが、注目されるきっかけになります」



ただし、企業ビジョンで集めた人を採用する際には注意すべき点がある、と吉田氏は自身の経験を語ります。

「最初の頃は、ビジョンに賛同する方やアーティストさん自身に多く応募いただいたのですが、なんとなく違和感を覚えました。それで自分はビジョンへの共感者よりもビジョンを一緒に達成する仲間が欲しいと気がついたんです。ビジョンはあくまでゴールであり、そこに向かって走らなければならない。現在は、面談で応募者側の将来像や大事にしている価値観を聞き、自分のビジョンと重なる部分があるかをシビアに判断して採用しています」

ビジョンが共鳴する人とは話疲れないという吉田氏。多い時は、1日で10人もの面談をしていたこともあるそうです。


自分のコミュニテイをうまく使う


人材探しについて、お助け隊の中で多かった答えはやはり「人からの紹介」。ウォーターデザインジャパン代表の藤田和志氏は過去にも2つの会社を起業した経験を持ちますが、募集告知は一切せず、知り合いの紹介のみで採用を決めてきたと明かしました。藤田氏の経験では、特に海外で出会った仲間の絆は強いと言います。

また、アパレルブランドAyのCEO村上采氏は現役の大学生社長。地元のおばあちゃんたちと協働し、伝統織物を現代のファッションに作り変えるという斬新な服作りに挑戦しています。その一方、ソーシャルネイティブ世代らしくインスタグラムを使いこなし、今いる会社メンバーもすべて、インスタグラムを通じてコンタクトを取り採用していったそうです。

前述の平瀬氏も「尖った人間がいるのは同じように尖った人間がいるコミュニティ。求める人材が集まりそうなコミュニティや知り合いに紹介してもらうのが、結局、一番効率がいいんです」と述べました。



さらにここで、次回お悩み人として登場する小掠さん(詳しい紹介は次回にて!)も登場。前職は人事だったという経験を活かし、学術分野から人材募集する方法をアドバイスしました。

「求める仕事内容や分野に近いキーワードで論文を検索をし、その著者である教授や研究室とつながりを作るのはどうでしょうか。卒業生や研究員を紹介してもらえるチャンスにつながるはずです」

お悩み人同士の助け合いに「自分は技術者ではないので、畑違いだと思って技術分野の深堀りから逃げていた。やはり文献を参照することも大切ですね」と高橋さんも照れ笑いしつつ、深くうなずいていました。


さらに次のステップへ


お助け隊それぞれの経験に基づく親身なアドバイスに感激した高橋さん。様々な気づきがあったことと共に、高橋さんが計画している秘策も教えてくれました。

「実はいま、AGRISTでロボットコンテンストを主催しようとしています。エンジニア人材としてはロボコン経験者が欲しいと思っているのですが、今年のNHK主催の高専ロボコンはオンライン大会のみでした。だから自分たちから仕掛けて、人材スカウトのチャンスを作るつもりです」

今回のオンラインイベント中も、背景に「5人目のエンジニア募集中」と大きな告知を出していた高橋さん。常にチャンスを逃さない姿勢が印象的でした。お助け隊の知恵を取り入れ、自由な発想と工夫でますます邁進していくに違いありません。これからのAGRISTの活躍が楽しみです。



「人材探し」というお悩みは、経営者の誰もが頭を悩ませる問題だっただけに、参加者全員にとって有意義な時間になったようです。「お悩みピッチ」終了時には、参加者から次々と「贅沢なコンサルティングを受けているようだった」という声や、「お助け隊として参加したが、他の人の悩みに答えることで自分自身を振り返ることができた」という声があがりました。

Forbes Japanとアメリカン・エキスプレスは経営者同士の助け合いが広がっていくことを心から願い、これからもサポートしていきます。


▶「お悩みピッチ」特設ページはこちら

お悩みピッチ記事一覧
CASE1|ビジネスをスケールさせる「三方よし」の知恵
CASE2|新しいカルチャーを浸透させる、「フックづくり」のポイント
CASE3|最良の人材を確保するスタートアップの知恵(本記事)

そう、ビジネスには、これがいる。
アメリカン・エキスプレス


【お悩み人】
高橋慶彦氏AGRIST COO

【お助け人】
平瀬錬司氏サステナブル・ラボ 代表取締役CEO
藤田和志氏ウォーターデザインジャパン CEO
村上采氏Ay CEO
吉田勇也氏HARTi 代表取締役社長
渡邉創太氏Stake Technologies CEO

【ファシリテーター】
井土亜梨沙氏(Forbes JAPAN コミュニティプロデューサー)

Promoted by アメリカン・エキスプレス / Text by YAMADA / Illustration by 中尾仁士(DCRX)

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