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国際ジャーナリストのアメリカ深層メモ "Eye-opener"


その夜、バイデンは短いスピーチで選挙の手応えを述べ、トランプも会見で選挙が盗まれたと顔をしかめた。


「トランプとペンスは今すぐ出ていけ!」と叫ぶ人々も

4日には再びバイデンがスピーチを行い、ホワイトハウス近くのマクファーソン広場では、そのスピーチを見るためにバイデン支持者たちのパブリックビューイングが行われていた。そこに集まった人たちはバイデンが「私たちは勝利に向かっている」「これはアメリカ人と民主主義、アメリカの勝利になる。勝利しても、民主党州も共和党州もない、大事なのはアメリカである」とスピーチを終えると大きな歓声を上げた。

だが4日、5日と一向に勝負は決しない。アリゾナ州、ネバダ州、ペンシルバニア州、ノースカロライナ州、ジョージア州、アラスカ州の開票がなかなか進まないためだ。米TVではニュース番組やニュース専門チャンネルでずっと開票速報を流し続け、少しずつ届く開票結果を逐一報告するだけだ。

バイデンがスピーチで「忍耐強く待たないといけない」とも語っていたこともあって、ホワイトハウス前では、メディアは相変わらず多いが、明らかに人が減っている。そんな中で5日夜に、トランプがホワイトハウスで覇気のないスピーチを行い、だらだらと選挙は不正だと根拠を一切示さずに話した。これにはトランプ寄りで知られる米ケーブルTVのFOXニュースのリポーターすら「根拠は一切いないのです」と発言する始末だった。


「同意しないからってお互いを憎むのはやめよう」。プラカードを掲げる黒人男性

そして6日。日中はホワイトハウス前に人が戻っており、「トランプ出ていけ」とプラカードを手にデモ行進する女性の集団や、「同意しないからってお互いを憎むのはやめよう」というプラカードを掲げて、道の真ん中に椅子を置いて何時間も座っている黒人男性もいた。

トランプはその後、姿を見せていない。巨大なトランプに似せたバルーン人形が設置されたマクファーソン広場でデモをしていた女性は、「すでに存在感が薄れてきたね」と笑った。そして夜にはバイデンが勝利は近いと言い、最後にバイデンにこう言った。「また明日、話ができればと思っているよ」。


バイデンが勝利発表した直後のホワイトハウス前

バイデンが勝利宣言をしたいま、ホワイトハウスの外は歓喜の嵐に包まれている。

文=山田敏弘

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