米医薬品大手メルク、定期薬のドローン配送を模索

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米医薬品大手メルクは目下、医薬品の配送にドローン技術を活用できないかと模索している。その実現を目指して同社が手を組んだのが、ドローン物流企業ヴォランシ(Volansi)だ。

ヴォランシは2020年10月20日、プレスリリースで新規プログラムを発表した。このプログラムは、「ノースカロライナ州ウィルソンの医療サービスNPO組織Vidant Healthplex-Wilsonを利用する患者のもとへ、定期薬をメルクの製造拠点から配送するため」のもので、「医療のサプライチェーンでドローン技術をいかに活用できるかを検証するプロジェクトの第一段階」だという。

ヴォランシの最高経営責任者(CEO)Hannan Parvizianはこう話す。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、世界中のサプライチェーンはかつてないほどの混乱をきわめた。─中略─ サプライチェーン技術の急速な発展が以前にも増して求められており、とりわけ医療分野ではそれが喫緊の課題だ。その解決策のひとつがドローン配送であり、急を要する物品を、必要としている場所へ、最も必要としているタイミングで届けることが可能となる」

ただし、医薬品のドローン配送は、ほぼ未知の領域だ。ここ10年にわたって複数の大手企業が開拓を試みてきたが、そのプロセスはまだ完全に合理化されたとは言えない。医薬品の配送には独特の課題が数多く存在し、考慮すべき点も少なくない。たとえば、配送先までの距離や輸送方法、保管、複数の関係者との連携など、課題はたくさんある。

しかし、医薬品配送をめぐるこれらの課題を各社が完全かつ安全に解決し、その過程における無駄をなくしてスリム化すれば、ドローン配送が将来的に実現可能となり、医療へのアクセス問題が解決されるかもしれない。

世界各地の政府や医療システムにとって、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、医療業務上の課題を数多く浮き彫りにするものだった。さらに、規制機関と医療機関のトップは、新型コロナウイルスのワクチンが近いうちに開発・提供される可能性を見据えて準備を行っている。そのためには、ワクチン製造と提供、管理へ向けた大規模な運用や物流のプランニングが必要になる。

とはいえ、この新しいドローン技術、そして医療分野における新たなイノベーションについて、確かに言えることがひとつある。それは、規制機関や政府・自治体、医療機関、公衆衛生トップは、患者の安全基準を実施・順守するべく尽力しなければならないということだ。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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