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世界的な格差は、これまでも社会の安定を揺るがす極端なレベルにまで達していたが、世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、こうした格差をさらに悪化させる要因になっている。

国際通貨基金(IMF)の最新調査によれば、この傾向は、新興の経済国で特に顕著になる可能性があるという。

IMFのエコノミスト、ガブリエラ・クガト(Gabriela Cuat)と成田太志は最新のブログ記事で、「新型コロナウイルスのパンデミックの打撃を受けるまで、新興市場国と発展途上国は、20年間にわたって一貫して経済成長を続けてきた。その結果、貧困削減と平均余命の面で、大いに必要とされていた進歩が実現されてきた」と書いている。

「今現在の危機は、こうした進歩の多くを危険にさらすとともに、貧富の差を一層拡大させつつある」

パンデミック下で生産性を維持するためのカギは、在宅勤務ができるかどうかにある。そして、所得の低い労働者ほど、在宅勤務という特権を持たないことが多い。IMFは独自の成長予測をもとに、在宅勤務の可能性に応じて、所得階層ごとに所得の減少を推計した。

「感染拡大防止措置によって、脆弱な労働者と女性がより大きな影響を受けている」とブログの著者らは書いている。「新型コロナウイルス感染症が所得分布に及ぼすと推定される影響は、過去のパンデミックと比べてかなり大きい」

これは、「世界金融危機以降、新興市場国と低所得の発展途上国で実現されてきた進歩が帳消しになりかねない」ことを意味する。

金融危機に直面する国々では、事態がさらに悪化するおそれがある。世界の多くの地域で、パンデミックがほとんど制御不能に陥っている現状では、その可能性はいっそう高くなっている。

元アイルランド中央銀行総裁のパトリック・ホノハンは、10月30日付けの論評のなかで次のように警告している。「新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる金融への連鎖的な影響により、投資家がイグジットに殺到することから、いくつかの国は遠くないうちにマクロ金融危機に直面する可能性がある(たとえばレバノンでは、すでに危機がかなり進行している)」

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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