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ロンドンの超高級住宅への需要は現在も消えていない。売却価格は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)にもかかわらず、ほぼ正規の値段だ。

不動産仲介業者ナイト・フランク(Knight Frank)の新たな報告書によると、ロンドンではロックダウン(都市封鎖)期間を含む2020年1~8月までの間に、56件の超高級不動産が売却された。売却価格は合わせて1290万ドル(約13億5000万円)以上だ。2019年の総売却数は57件だった。

売却希望価格と実際の売却価格の差は今年第2四半期には縮まっていて、超高級住宅は希望価格の95%で売却されている。今年第1四半期は92%だった。今年第2四半期の数字は、2017年第1四半期以降、最小の下げ幅だ。

ナイト・フランクの英国住居調査部門を率いるトム・ビルは、こうしたデータに関し「金利が非常に低いため、世界金融危機後に見られたような強制的な売却は見られていない。価格は数年間下落を続けており、所有主の中にはパンデミックにより生じた不透明感が後退し、価格に対する将来の道筋がより明確になるまで静観する人が増えている」とコメントした。

超高級住宅の売り上げは、今年1月~8月までで約14億5000万ドル(約1520億円)に達し、2019年の約12億ドル(約1300億円)よりも16%高かった。この期間に住宅を購入した人の40%は英国人で、英国人の割合は過去10年間で最も高かった。海外からの購入者が以前よりも減ったため、メイフェアやナイツブリッジといった地域が影響を受けてきた。報告書によると、パンデミックによる旅行規制が原因だ。

ロンドンの超高級住宅市場は2014年以降停滞していたものの、2019年12月の総選挙以降、今年初めはちょっとした好況を経験していた。ナイト・フランクの調査では、2020年第1四半期の超高級住宅の取引は30件だったことが示されている。2019年は18件、2018年は22件だった。

英国の他の市場は、7月に住宅購入に関わる印紙税の支払いが50万ポンド(約7000万円)まで免除される一時的な措置が施行されてから活性化している。

こうしたデータについて、ナイト・フランクの高級不動産販売部門グローバル長を務めるパディ・ドリングは報告書の中で、ロンドンの裕福な購入者にとって「(購入の)主要な動機が資本の保全、英国の教育システム、債務の安さであることは変わっていない」と述べた。

「価格は近年低下を続け、これ以上下がるようには感じられない。10%がさらに一晩のうちになくなることはなさそうだ」とドリング。

パンデミックにより、屋外空間が付いた住宅の需要が伸びている。そのため報告書によると、超高級住宅が多いノッティングヒルやベルグレイビア、ハムステッドといった地域の市場が活発になっている。

ドリングは報告書の中で、「屋外の空間をより求める傾向は、郊外や田舎の市場に恩恵を与えてきたが、購入者はロンドンの投資を長期的に維持している。価格は1桁台の値引きがされているが、それ以上はなく、健全な状態だ」と述べた。

翻訳・編集=出田静

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