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I cover action sports and the Olympics.

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(Andrea Verdelli/Pool / by Getty Images)

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は英紙ガーディアンへの寄稿で、政治とオリンピックについて自身の考えを示し、なぜ両者を混合してはならないと考えているのか、あらためて説明した。

「オリンピック大会は政治とは関係ない。IOCは市民の非政府組織であり、どんなときも厳格に政治的に中立だ」。バッハは10月23日に同紙電子版に掲載された論説のなかで、そう強調した。

オリンピック憲章第50条は、大会中、どのようなかたちの政治的な抗議も禁止すると規定。IOCの選手委員会は1月に公表したガイドラインのなかで、そうした抗議には、サインや腕章による政治的なメッセージの表示のほか、片膝をつく、拳を突き上げるといったジェスチャーも含まれると明記した。

しかし「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」運動が盛り上がり、デモなどを通じて社会正義についての意識が世界的に変わっていることから、来年夏の東京オリンピックで人種差別反対の言動を罰すると言っても、多くの人にはむなしく聞こえるだろう。

それでも、バッハは「アスリートは卓越さ、連帯、平和という価値観を体現する存在だ。彼らはこうした包摂性や相互尊重を、競技場や式典の場で政治的に中立であることによっても表現する」と記し、オリンピックは政治的に中立であり続けるべきだという立場を一段と強く示した。

バッハは「時として、スポーツで求められることと、すべてのアスリートが大会中も享受している言論の自由を調和させる必要も出てくる。だからこそ、競技場や式典の場でのスポーツ精神の保護に関するルールが定められている」と説明した。

そのうえで「人々をつなぐオリンピックの力は、すべての人が互いに敬意や連帯を示し合って初めて発揮される。さもなければ、オリンピックはデモというデモを見せつける場になり、世界を結びつけるのではなく分断するものに堕してしまう」と訴えた。

編集=江戸伸禎

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