ビジネス

2020.11.07

海外旅行の制限やリモートワーク普及で、別荘市場が活況

Jose Amaral Jr/Getty Images

リモートワークが可能になったことで、別荘の市場に関心を持つバイヤーが増えている。こうした市場への関心が高まっているのは、新型コロナウイルスの流行で人々の優先順位や好みが変化し、どこで、どのような暮らしを送りたいかが様変わりしたためだ。

典型的なバケーション目的地とされる都市で売りに出されている物件の閲覧数は、1年前に比べると50%近く増加している。それに対して、米国全体の増加率は37%だ。このような都市とは、人口が6万5000人以上で、全住宅に占める別荘の割合が、全米平均(3.9%)と比べて5倍以上ある都市のことだ。

住宅需要が増加しているこうした都市には、ニュージャージー州の沿岸部、サウスカロライナ州マートルビーチ、フロリダ州キーウェスト、ネバダ州レイクタホ、マサチューセッツ州ケープコッド、ユタ州パークシティなどが含まれる。

そうした別荘市場では、新たにペンディング(仮契約中)となった物件も増えている。市場の90%で伸びが見られるほか、半数では昨年比で30%以上も増加している。

こうした流れに乗っているほかの都市には、メリーランド州ソールズベリー(同州オーシャンシティ近郊)、ミシガン湖岸に位置するミシガン州トラバースシティ、そして、ミシシッピー川に近く、森と湖が点在するミネソタ州ブレナードなどがある。これらの3カ所すべてで、ペンディングは昨年比で30%以上増えている。

不動産検索サイト「ジロウ」によると、こうした人気のリゾート都市では、閲覧数や販売数が増加しているだけでなく、物件が「お気に入り」に登録されるケースも増加中だ。ジロウでは、気に入った物件をお気に入りとして登録し、あとでまた確認したり、ほかの人とシェアしたりできる。同サイトの調査によると、「お気に入り」登録数が多い物件のほうが、より早く、より高値で売れることがわかっている。

「お気に入り」に登録される頻度が全米最多のリゾート都市上位には、キーウェストやパナマシティ、ネイプルズ、フォートマイヤーズ、プンタゴーダなど、フロリダ州の都市が多く入っており、その頻度は米国全体と比べると3倍以上だ。

フロリダ州の物件を扱うフロリダキーズの不動産会社「Coastal Collection Real Estate」オーナーで、ジロウのトップエージェントでもあるトミー・マック(Tommy Mack)は、「バケーションホーム市場がこのところ急なにぎわいを見せているのは、新型コロナウイルス対策で海外旅行が規制されていることと、在宅勤務やオンライン授業が可能になったことが理由だと考えられる」と述べる。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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