でも、それ以外は、208はかなり良い。僕が乗った仕様は、208アリュールで3気筒の1.2リッターターボと8段ATを組み合わせている。100psと205Nmを発揮しているので、ロケットローンチとは言えなくても、加速感は十分と言える。やはり、エンジンは小さい3気筒で、どこかゴロゴロしたフィールを残すターボエンジンだけど、気持ち悪いことは全くない。逆に、その位の音と振動があった方がクルマの性格が出る。
車重はたった1160kgというから、ゼロ発進からの加速も元気だし、高速道で合流する時も問題ない加速性だ。8段ATのレスポンスもスムーズだし、シフトショックはほとんどないし、静粛性もいいので、運転が楽しい。乗り心地も穏やかで、このセグメントの中ではトップクラスだと言える。ステアリングは多少軽いけど、しっかりと手応えがあって路面からのフィードバックをドライバーに伝えている。燃費は17km／L（WLTCモード）とメーカー側がいうけど、リアルワールドではおよそ15km／Lだろうか。
運転席はサポート性が良くて、ドライビングポジションはかなり低くても、視認性はいい。また、この軽快なステアリングフィール、スポーティなコーナリング性能、少しロールするサスペンションの組み合わせは、パワーが100psだけでもドライバーに十分に快感を覚えさせる。この208は、ファン・トゥ・ドライブだ。ドライブモードも3つ付いているし、スポーツモードではスロットルやステアリングが多少シャープになる。
プジョーが208を出した。例えばそれは、美味しくて本格的なフランス料理を誰でも買えるリーズナブルな価格で提供しているような気がする。259万円は手頃だろう。フランス料理に敷居の高さを感じるように、フランス車に抵抗があった人には、208こそ試食、いや試乗して欲しい。驚くかも、よ。
国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
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