新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、在宅勤務をしたり、独立して自営業者になったりすることに関心を寄せる人が増えており、多様な収入源を持つことの重要性も浮き彫りになった。一方で、女性自営業者は、ジェンダーに根差した障壁や孤立が原因となって、メンタルヘルスに問題を抱えるリスクがより高いとする研究結果がある。この研究からは、ジェンダーに根差した障壁は、女性起業家のメンタルヘルスに影響を及ぼすばかりか、仕事へのプレッシャーを増大させ、成功を妨げることもわかっている。
女性起業家のメンタルヘルス支援を行うアプリを開発・運営しているスタートアップ「resurgo.co」は4年間にわたり、性差別に根差した障壁と孤立が女性自営業者にどのような影響を与えたのかを分析した。その結果、女性自営業者の5人に1人が自殺を考えたことがあることがわかった。また、4分の1が「メンタルヘルスの状態がよくない」と回答した。これまでの研究から、自営業者はメンタルヘルスが悪化するリスクが相対的に高いことが明らかになっているが、このリスクは男女間で大きな差があるのだ。
たしかに、自宅や自分専用のオフィスで働いていると、信じられないほどの孤独に苛まれることがある。さらにその孤独感は、パンデミックのあいだに増す一方となった。ただでさえ以前から少なかったと思われる社会との接触が、バーチャル通話やメールに置き換えられてしまったからだ。孤独は、女性起業家のメンタルヘルスを悪化させる主因だとresurgo.coは指摘している。