ブラジルの国営デジタル銀行がコロナ後に利用者急増、IPOへ

Photo by Bruna Prado/Getty Images

ブラジル政府は新型コロナウイルスによる危機を受けて立ち上げたフィンテックサービスで、数百万人の人々を金融システムに取り込んだ後、政府独自のデジタル銀行をIPOさせようとしている。

ブラジル政府は、パンデミックを受けて政府の支援金を国民に配布するために連邦貯蓄銀行(CEF:Caixa Econômica Federal)の傘下にデジタル銀行の「Caixa Tem」を立ち上げたが、その利用者は4000万人にも及ぶとされている。

政府はこの仕組みを今後、PIXと呼ばれる即時決済システムに進化させ、少額ローンサービスや保険サービスを開始する予定だ。Caixa TemのIPO計画はまず、パウロ・ゲジス経済大臣がシンクタンクのMilken Instituteが主催するカンファレンスの場で話した後、CEFのプレジデントのペドロ・ギマランイスが、ロイターの取材に事実だと述べた。

ギマランイスによると、IPOはブラジル国外で行われる可能性があるという。調査会社Americas Market Intelligenceとマスターカードが実施した調査によると、パンデミック後にデジタル化が義務づけられた結果、銀行口座を持たないブラジル国民の数は急激に減少したという。

過去5カ月で銀行口座を持たない人々の割合は、73%も減少したとされ、約4000万人の人々が金融サービス・プロバイダに新規アカウントを開設した。背景には、政府の支援金を受け取るために、口座を持つことが必要だったことがあげられており、パンデミックの最中に、非接触型の決済も急激に普及した模様だ。

ブラジルの新決済システムPIXは、仮想通貨での支払いにも対応するとされている。

編集=上田裕資

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