支出の内訳を見てみると、食品店と店舗外小売(インターネット店舗)がそれぞれこれまで、4.4%と28.6%の成長を達成し、明らかな勝者となっている。一方大きな敗者は食品以外の販売で、18%以上減っていた。
PwCの消費者市場を率いるリサ・フッカーは、「買い物行動における既存の変化がさらに加速し、さらに新型コロナウイルス感染症による規制の導入を通して強制的な実験が行われてきた。消費者は既にネットショッピングに移行したり、購入するものの優先順位を変化させたりしていたが、コロナはこうした基本的な傾向をさらに大きく進めた」と述べている。
しかし、全てが暗いニュースではないかもしれない。PwCは良い点として次の4つを挙げている。
・在宅勤務の増加で地元の大通りの店舗が再び注目を集め、独立店舗が活性化した
・量販店やディスカウントスーパーが着実に拡大した
・食事の持ち帰りとピザ配送店舗の人気上昇
・職人の直販店や建材、鍵屋など地元で提供されるサービスへの需要の高まり
フッカーは「厳しい数字ではあるが、実店舗にも未来は残っている」と述べ、「誰しも、店舗や余暇施設を実際に訪れることを望み、必要としている。そのため何が起きたとしても、小売業は規模を減らしつつより強くなり、この苦難を克服するだろう」と語った。
空き店舗が生じる中でも機会が生じている。その一部は一等地にあるものだ。スタイントンは、「コーヒーの定期購入サービスを導入しているプレタ・マンジェ(Pret a Manger)や今年13店舗をオープンさせた電動自転車販売企業ピュア・エレクトリック(Pure Electric)など、即座に適応できる機敏な小売業者が年末に向かう中で特に回復力の高い企業となるだろう」と語った。