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イーロン・マスク(Photo by Saul Martinez/Getty Images)

スペースXはこれまで、数えきれないほどの「スターリンク」衛星を打ち上げてきた。2018年2月22日に最初の2基を打ち上げて以来、少なくとも15回の打ち上げを実施し、その度に約60基を軌道へ投入している。

直近の打ち上げは先月24日で、軌道に投入した衛星は累計895基となった。うち51基は何らかのトラブルにより軌道から外されたため、現在軌道上にあるのは844基だ。

計画の第1段階では、72の軌道面にそれぞれ20基の衛星を配置し、合計1440基を展開する予定だ。同社は既に3万基の追加打ち上げを申請しており、1日4基のペースで衛星を生産している。さらに、開発が最終段階に入っている大型ロケット「スターシップ」は、一度に400基の衛星を軌道に投入できる。

スペースXは既に、これまでに展開した衛星を通じて、大火災に見舞われて孤立した村や、辺境地に暮らす米先住民にブロードバンドインターネット接続サービスを提供しており、さらにはGPSに代わる位置情報サービスとしても検討されている。

同社とマイクロソフトは、地球上のあらゆる場所にインターネット接続サービスを提供する事業で提携関係を結んだ。さらにイーロン・マスクには、数年後に収益が安定すればスターリンクを上場させる目論みもある。スペースXは今年2月、2億5000万ドル(約260億円)の資金を調達し、同社の評価額は360億ドル(約3兆8000億円)に到達しており、新規上場の目標達成に向けた展望は明るい。

マスクの会社は今回もまた過去のマスタープランを踏襲し、規模と学習の経済を活用している。打ち上げを重ねるたびにコストは減少し、部品再利用の技術は進歩し、他のプロジェクトとのコスト共有が可能になる。当初は夢物語だったプロジェクトは今や、大手ボーイングを追い抜いて宇宙飛行士2人を軌道に乗せることに成功し、さらには電気通信産業をも破壊しようとしている。

世界中のどんな辺ぴな場所でも、十分な速度の双方向通信ができるようになるまでには、どれくらいの時間がかかるだろうか? そうなれば、地上のインフラ投資には何が起こるのだろうか? こうした計画は、これから新たにインターネット接続環境を手にする「次の10億人」にどう影響するのか? その企業にはどれほどの価値があるだろうか?

編集=遠藤宗生

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