テクノロジー

2020.11.07 07:30

音痴でも大丈夫、グーグルの「鼻歌検索」のスゴい精度


実際に「鼻歌検索」を試してみた


「Hum to Search」の検索の精度はどのくらい信頼できるのだろうか。今回はビリー・アイリッシュの「ホエン・ザ・パーティーズ・オーヴァー」という曲で実験してみる。検索機能の性能を試すために、あえてシンプル過ぎないリズムとメロディーの曲を選んでみた。

グーグル の検索バー右端に出てくる「マイク」アイコンをクリックすると、下部に「曲を検索」という項目が出てくるので、その部分をタップ。鼻歌のレコーディング画面へと進む。

「The Grammys2020」でのビリーのパフォーマンスを思い出しながら、うろ覚えのメロディーをスマートフォンに向かって口ずさんでみる。もちろん歌詞も覚えていないので、「ラララー」などの擬音を使って入力した。10~15秒のあいだ鼻歌を歌うと、AIがメロディーを分析して、該当する曲を即座に検索してくれる。


「曲を検索」をタップすると音声を認識してくれる

すると、期待通りビリーの「ホエン・ザ・パーティーズ・オーヴァー」が検索結果の1番上に出てきた。鼻歌の音程はかなり外れていたと思うが、それでも「61%一致」という検索結果が出たということは、精度は信頼できそうだ。



候補曲をマッチ率が高い順に表示してくれる

ちなみに、検索結果2位に表示されているのは、人気アカペラグループのペンタトニックスによる同曲のカヴァー。単に曲名がわかるだけでなく、関連する情報も即座に表示されるのは嬉しい機能だ。

今回いくつかの曲で実験してみたが、全く検索に引っかからないというケースは稀であった。原曲をある程度再現できれば、大抵の場合は思い出そうとしている曲を探し出してきてくれるようだ。

また、自分の印象に残った部分だけを鼻歌で再現するのでもよいというのも特筆すべき点だ。例えば、歌うのは必ずしもメロディのボーカル部分でなくともよい。試しに、英国のロックバンド、ディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」で弾かれる有名なギターリフ部分を鼻歌で歌ってみたが、こちらもきちんと検索結果1位として表示された。

「Hum to Search」は、海外の音楽番組を頻繁に見る人にとっても有用かもしれない。例えば、K-POPファンなら、韓国の音楽番組を、インターネットを通じてチェックすることも少なくないと思う。しかし、その際に、曲名がハングル表記であるためにわからなかったという経験をもった人もいるだろう。

そんな時も、「Hum to Search」を使えば、直感的に検索をかけて、探したい曲へと即座にたどり着くことができる。

歌やハミングを用いた音楽検索サービスは、「SoundHound」などのアプリですでに提供されてきたが、「Hum to Search」がグーグル検索に導入されたことで、これまでよりもたくさんの人々がこのようなサービスを享受することになる。

現在、Android版「グーグル」アプリでは日本語を含む20言語以上が対応、iOSでは英語のみ対応といった状況だが、今後、さらに拡大していく方向だ。

文=渡邊雄介

ForbesBrandVoice

人気記事