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「OOiNN(オーイン)」のタイポグラフィ・ハンコ「GRAPH」シリーズ。左上から時計回りに、苗字は「山下」、「田中」、「山田」、「竹井」。

2020年の代名詞ともなったコロナ。そんななか、ここぞとばかりにデジタルシフトは進み、世の中がどんどん便利になっていく。その一方で、その利便性と自らの感性を比較しながら、どのデジタルに乗るのか、私たちは日々、敏感に感じ取っているようにもある。今回のお話しのテーマは「ハンコ」。河野太郎行政改革担当大臣が発信した「脱ハンコ」により、そのあり方が大きく問われた。


日本人のハンコに対する感覚


ハンコ文化はこれまで多くの会社で課題となっていた。わざわざ捺印するために出社せざるをえない人がいたことで、コロナ禍において「非現実的」と批判された。その流れから、各社「脱ハンコ」が推し進められるかたちとなった。実印や三文判、また、出先で急遽購入した安価なハンコなど、ビジネスマンの引き出しをあけたら、様々なタイプのハンコが並んでいるに違いない。特に親世代から譲り受けたハンコは大切に持っていることだろう。

そんなハンコが不要になるなか、「神社にハンコが集まっている」という話も聞こえてくる。世界遺産の一つである下鴨神社(京都)では、不要なハンコを供養する「印章祈願祭」を毎年9月に実施。ここに多くのハンコが集まるのだ。ハンコが不要と言えども、そう簡単には捨てることができない。「神社で供養をする」という日本人の心が見えるシーンだ。

また、日本には、「花押(かおう)」という名前をデザイン化する文化が平安時代の頃からあった。これは、署名の代わりに使われる記号・符号で、自分の名前の一文字を崩してサインしていたもの。ただ、そこから意匠化され、デザインされたものがうまれるようになった。戦国武将たちも花押を持っていたとされており、源頼朝は「頼朝」の二文字の部首のうち「束」「月」を合体させて花押を、足利尊氏も「尊」と「氏」を合体させたものを使っていたそうだ。古くから名前をデザイン化し、自著のサインとして使っていたのだ。

「脱ハンコ」時代だからこそ大切にしたもの


「脱ハンコ」のいまの時代においても、「自分のオリジナル性の高いハンコを持っていたい」という価値観は強く残っているようだ。グラフィカルでスタイリッシュなデザインはんこ・印鑑・ネーム印の「OOiNN(オーイン)」が人気だ。

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日本で最も多い苗字「佐藤」のデザイン

文=上沼 祐樹 編集=石井 節子

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