30日午後にCDCは、現在の航海禁止令が31日で期限切れになった後、「段階的な営業再開」を可能にするフレームワークを発表した。
しかし、クルーズ船の営業がすぐに再開可能になる訳ではない。当面の間は、船の乗組員全員の検査を完了し、万が一船内で感染が発生した場合に備えるためのシミュレーションを実施することが必要になる。CDCは、今後どの程度の期間、この要件が科されるかを明らかにしていない。
世界最大のクルーズ船の運航会社カーニバルの株価は、この発表を受けて7%の上昇となった。さらに、同社の競合であるロイヤル・カリビアンとノルウェージャン(Norwegian)の株価も、それぞれ6%と5%上昇した。
3社の株価は年初から少なくとも60%の下落となっており、カーニバルの場合は1月から75%下落している。
クルーズ船業界は、新型コロナウイルスのパンデミックによる打撃をいち早く受けており、CDCが3月14日に運航禁止令を出して以来、収益源を実質的に絶たれている。3社は資金繰りに追われ、数十億ドルの負債を抱えているが、30日のガイダンスは業界に希望の光を与えることとなった。
カーニバルの2019年第3四半期の売上は65億ドルに達していたが、今年の同四半期の売上は3100万ドルまで低下していた。10月8日、同社が発表した決算によると、月あたりの損失は平均で7億7000万ドル(約806億円)に達している。
CDCの新ガイダンスのもとで各社がいつ、運航を再開できるかは定かではないが、ロイヤル・カリビアンは、12月1日には大部分の運航を再開したいと述べている。