中学受験で「社会」を後回しにすると危険? 時事問題に「小学生新聞」は効くのか

「スタディアップ」代表 野村恵祐氏 著書


・時事問題対策、6年生の場合


野村氏は「個別に日々のニュースを見たり、新聞を読んだりする方法ではなくて、情報がまとめられたものを利用する方が格段に効率はいい」と話す。「まとめられたもの」とはたとえば、大手の進学塾から毎年出版される以下の教材だ。

・中学入試用 サピックス重大ニュース(代々木ライブラリー)
・中学受験用 2020重大ニュース(日能研ブックス)
・入試用重大ニュース 時事問題に強くなる本(学研プラス)
・重大ニュース 中学入試用―社会&理科の時事問題対策!(栄光)

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2020年 入試用重大ニュース 時事問題に強くなる本(学研プラス)

ニュースは日々アップデートされるので、そのたびに親が新聞やテレビ、ネットで情報収集して子供にシェアするのは現実的でない。「受験のプロがピックアップした内容を一気にインプットするのが効率的でしょう」。

とはいえ塾によって教材構成はかなり違うし、同じニュースに対しての説明でも、どこに焦点をあてているかが違う。選ぶときのポイントは、11月〜、教材が発売になったら、書店店頭で子どもと一緒に中身を確認して、受験生本人が「使いやすい、覚えやすそう」と感じたものを選ぶことだという。「十数週間で履修することを考えれば、1冊でOKです」。

ちなみに、テキストだけではなく音声で耳からも学習したい場合、野村氏自身が毎年12月1日に発売している時事問題に関する教材(「時事問題ターゲット」)がある。テキストとCD、そして、出題可能性の高い問題を野村氏が選別し、カード化したリング式の暗記カードがセットになって、毎年、実際の入試問題で高い的中率が記録されている人気教材だ。

「市販の教材にはさまざまありますが、お子さんが通われている塾でも個別対策をしてくれます。よく相談をしながら、自分のお子さんにあった最適な手段を選ぶことが重要です」

ちなみに、どの時期までのニュースをチェックすればよいのか、は迷うところだ。

基本的に、上記の時事問題集に収録された内容を徹底的にこなすだけで十分、と野村氏は言う。そこに収録されていない本番1、2カ月前の最新ニュースは基本的に出ないと考えてよい。「ただ、今回の場合、衆議院が解散する可能性は秋頃からニュースでも言われているので、『もし衆議院が解散した場合、総選挙も含めどういう流れになるか』という基本事項について出題してくる中学校は、あるかもしれません」。
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構成・文=石井節子

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