心の健康もむしばむ新型コロナ 女性の間で特に危機的状態に

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CAREは、パンデミックの間に性差が生じた重要分野として、心の健康と食料品、仕事の3つを挙げている。CAREの調査に応じた女性の55%は、新型コロナウイルスに関連した何らかの所得の喪失を経験したと答えた。男性の間では、この割合は34%だ。女性はパートタイムや非公式な形で働く場合が多いため、仕事の面では男性よりも大きな打撃を受けたことも明らかになった。家庭での課題に関しては、食料品不足について懸念を持っていた女性は41%だったのに対し、男性は30%だった。

「女性の話を聞くことには力がある。女性が必要としているものや彼女たちの経験がどのように男性とは違うのかを理解することは非常に重要だ。回答を集めることでこの理解を強化しつつ、人道的活動や啓発活動がどのように取り組みを変化させれば、より効果的で公平な新型コロナ対応を支援できるかについて非常に貴重な見識が得られる」とヤノック。

新型コロナウイルス感染症が身体の健康や経済にもたらす影響は非常に大きいが、慈善団体・組織はロックダウン政策が強化されるにつれてどのように人々の心の健康状態が悪化してきたかを説明してきた。心の健康に関する慈善団体マインド(Mind)は、パンデミックを心の健康の緊急事態と呼び、ロックダウン中に心の健康状態が悪化したと答えた人は成人の半分以上(60%)、若者の3分の2以上(68%)だと報告している。

マインドの調査では、若者はロックダウン中に心の健康状態の悪化を経験しやすかったことが分かった。また、心の健康問題を抱えた経験がある人は行動制限の結果として精神の健康が悪化しやすかった。

パンデミックの直接的な影響により生活のあらゆる側面が変化する中、心の健康状態が悪化したと感じる人がいるのも驚きではない。仕事の安全や食料品・医療・資源の入手が不透明になる中、これまで新たな課題が生じてきた。一部の国はさらなる感染拡大への対応に苦しんでおり、パンデミックにより生活が非常に厳しくなっていると感じる人が必要な支援を得られるようにすることが必要不可欠だ。

翻訳・編集=出田静

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