庭がなくても楽しめる。自宅で癒されるガーデニングのすすめ

植物はささやかな移ろいに気づく楽しみを与えてくれる


3. サキュレント(多肉植物)


個別のポットに1つずつ入り、小さいながらも個性を放つ多肉植物。種類にもよるが、だいたい2週間ごとの水やりでも良い手軽さで人気がある。ベースが緑色でなんとなく似通ったイメージがあるが、多肉植物と一口に言ってもじつにたくさんの種類があり、ひとつひとつにユニークな特徴がある。

エケベリア属は、葉がバラの花のような形をしていて、スタイリッシュだが華やかだ。葉の間から茎が伸び、花が咲く。多肉の世話に少し慣れたら、自分で株を増やすことができるのも、楽しみのひとつだ。

サボテン
バラのような形のエケベリア

リトープス属は本来は岩や石があるところに生息しているため、石に擬態している。面白いのはこの植物、脱皮するのだ。ひっそりとしたイメージの多肉植物も、日々成長している様子がわかると愛らしくなる。

他にも透け感のあるハオルチア属やアロエなど、多肉の世界は知れば知るほど惹き込まれていく。

多肉
透け感のあるハオルチア属。ツルツルしていてみずみずしい感じ。

サキュレントを育てる時のコツは、寄せ植えではなく1個のポットに1種類ずつ植えること。なぜなら特に水が嫌い、寒さに弱い、などそれぞれの性質が大きく異なるため、一緒に植えるのは難しいのだ。秋から冬に成長するもの、春に成長するものなど、さまざまな性格をもっている。

リトープス
石に擬態した姿のリトープス。割れ目から花が咲いている。

霜が降りるまでは外で育てることが可能だが、霜が降りるほどの寒さになったら室内に入れてあげよう。カーテン越しに日が当たる環境であれば年中室内で育てても大丈夫。暑さと湿気に弱く、特に梅雨期は雨が当たらないように注意を。

生活に植物があるということ


20年間にわたりガーデンソイルで植物を育ててきた片岡氏はこう語る。

「1ミリ程度の小さな種から発芽して、ひと春で成長し美しい花を咲かせ、やがて秋には、また種をつくって枯れていく。植物の力強い姿に、毎年驚きと尊敬の念を抱きます。そして私達も自然の一部である事を感じさせてくれます。まずは、自分が美しいとか、好きだと思う植物を選んで、トライしてみては」

花や実がなる喜び、葉の形の美しさ、季節ごとに変わる色や雰囲気。植物はそういったささやかな移ろいに気づく楽しみを与えてくれる。そして植物と触れ合う時間は、忙しい日常からひと時離れる、癒しとなるだろう。この機会にガーデニングに挑戦してみてはいかがだろうか。

ガーデンソイル
「その植物が好む環境を作ること」を体現するガーデンソイルの庭は、四季折々に可憐で力強い美しさを見せる。

文=河村優

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