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サンディープ・マスラニCEO (c) WeWork

昨年IPOを計画を頓挫させ、創業者のアダム・ニューマンをCEO職から追放したシェアオフィス大手の「ウィーワーク(WeWork)」は、猛烈なコスト削減とリストラを進めてきた。同社の新しいCEOは今、2021年の黒字化が見えてきたと語り、うまく行けばもう一度IPOにチャレンジする意向であると、ブルームバーグが報じた。

ウィーワーク新CEOのサンディープ・マスラニは10月28日、インドで記者団に「人員削減により規模の適正化を100%終えた」と語り、2021年までに収益化を達成すると述べたという。

マスラニによると、中国、韓国、シンガポールなどのアジア市場では事業が回復しており、第1四半期の稼働率は66%に達したという。収益化を達成次第、新たなIPO計画を進めると彼は述べている。

ウィーワークの前回のIPO計画は、2019年に劇的に崩壊し、ピーク時に470億ドル(約4兆9000億円)だった企業価値は90%以下も目減りしていた。同社は資産を売却し、契約を再交渉し、従業員の約3分の1をレイオフしていた。

マスラニによると、同社は昨年、救済措置の一環として大株主のソフトバンクから提供された数十億ドルの資金を手元に残しているという。創業者のニューマンは昨年、合計17億ドルに及ぶ退職金を受け取って経営を離れており、同社はニューマンに対する支払い義務は無いという。

ただし、ニューマンは現在もなおウィーワークの株式を保有しているため、マスラニは月に2回程度、彼とミーティングの場を持っている模様だ。

短期間で急拡大を遂げたウィーワークは昨年、破滅的な結果を迎えていた。2010年にわずか1カ所のコワーキングオフィスで創業した同社は、数年のうちに世界数百カ所に拠点を構え、数千人を雇用するようになり、大手企業やフリーランサーたちが利用するサービスとなっていた。

しかし、ピーク時に470億ドルの評価を得ながらも、資金を使い果たし、目を見張るような損失を出し、ビジネスモデル自体に疑惑の目が向けられるようになっていた。

ウィーワークの株主や従業員の多くは、同社の筆頭株主であるソフトバンクグループ(SBG)が以前提示した30億ドル分の株式の買取計画の実行を待っていたが、10月28日に開示された裁判資料によると、この計画は撤回された模様だ。

ニューマンらが裁判所に提出した資料によると、SBGの孫正義会長はウィーワークのクラウレ会長に、この計画を先送りするよう指示し、「どんな口実を使ってでも延期を正当化するように」と要請したという。

編集=上田裕資

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