パープルのカラーが目を引くこの端末の価格は50ドルで、機能は限定的だ。「Yahoo Mobile ZTE Blade A3Y」のディスプレイサイズは5.4インチで、解像度は720p。OSはAndroid 10、RAMは2GB、ストレージは32GB。指紋認証と顔認証によるロック解除に対応する。
ヤフーメールやニュース、スポーツ、天気などのヤフーのアプリがプリインストールされている。
この端末はベライゾンの5G通信サービスには対応しないが、この価格であれば当然のことだろう。ベライゾンは今年3月から米国でYahoo Mobileのサービスを始動しており、月額40ドルを払えばベライゾンの4G LTEネットワークを用いて、無制限の通話やテキストの送受信、データ通信が行える。
米国のヤフーは90年代から2000年代初頭まではテック業界の巨人として君臨し、最盛期の時価総額は1250億ドル(約13兆円)を超えていたが、ポータルサービスを超える事業を生み出すことができず凋落した。
同社はドットコムバブルの中で、45億ドルを投じてジオシティーズ(Geocities)を、57億ドルを投じてブロードキャスト・ドット・コム(Broadcast.com)を買収したが、創業間もないグーグルやフェイスブックの買収チャンスを逃したことが最後まで響いた。
ヤフーはFlickrやTumblrを買収し、事業モデルの転換を図ったが、それらのサービスも結局、競合の台頭によって覇権を奪われた。その後、2017年にヤフーはベライゾンに約48億ドルで買収されていた。
ベライゾンは、2015年のAOLの買収を通じ、ハフィントン・ポストやテッククランチなどのメディア企業も傘下に置いている。同社は現在、ハフィントン・ポストを売却しようとしているが、報道によると買い手はまだ見つかっていない模様だ。