コロナ追加対策の遅れ、45%が「トランプと共和党に責任」

Tasos Katopodis/Getty Images

米政権と議会が調整してきた追加の新型コロナウイルス対策は、11月3日の大統領選前に成立する可能性がほぼなくなった。調査会社モーニング・コンサルトと政治サイトのポリティコによる最新の世論調査では、その責任はドナルド・トランプ大統領と議会共和党にあるとした有権者が45%と、議会民主党にあるとした有権者(40%)よりもやや多いという結果になっている。

党派間では認識の違いがさらに際立つ。民主党支持者ではトランプと議会民主党に責任があると答えた人が69%、共和党支持者では議会民主党に責任があると答えた人が65%にのぼっている。

追加対策は民主党のナンシー・ペロシ下院議長と政権のスティーブン・ムニューシン財務長官が数カ月にわたって妥協点を探ってきたが、全米規模の検査・追跡計画、州や地方自治体への援助、事業者の免責条項などで溝を埋められず合意にいたっていない。

さらに、民主党と政権が調整している支出額(約2兆ドル=209兆円)に反対している共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務が、より小規模な共和党独自の法案を上院に提出したことも、事態をさらに複雑にした。民主党はこの法案に反対している。

ペロシと政権の交渉が妥結しても、上院共和党の一部が支持しなければ両院では可決できない。上院はエイミー・コニー・バレットの最高裁判事人事を26日に承認したあと、11月9日まで閉会している。

トランプは27日、「選挙のあとには、これまでで最高の刺激策が得られるだろう」と発言した。過去数週間、トランプは追加対策に関して、突然交渉を打ち切らせてはまた再開させたり、共和党の十分な支持を得られていないのに、共和党は法案でのホワイトハウスの優先事項に最終的には賛成すると繰り返し約束したりするなど、対応が迷走している。

編集=江戸伸禎

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