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17時30分、開店。制服に着替えた7人は、部室ではなく、試合に臨む表情となっていた。はぜるまきの音と香りがゲストを迎える。各席に置かれたアルコールで手を消毒すると、期待とともに緊張感が高まってくる。

空気を和ませたのは宮下の語りだった。一人ひとりのゲストの顔を見ながら穏やかに、だが真剣に店のコンセプトと思いを語る。その後は一皿ずつ料理が運ばれるたび、どの材料を、どんな目的で、どういう技法で、どれくらいの時間かけて調理したか、キアや宮下が入れ代わり説明する。

その料理に合わせて、どうドリンクをつくったか。堺部とドリンク担当の外山博之が解説しながらサーブする。


「枝豆、ピスタチオとキャビア」はヨーロッパ野菜のプルピエ、揚げ枝豆の薄皮がアクセント。生湯葉の薫製香、昆布のうま味が一体となる

言葉を尽くす彼らに共通するのは「解釈」という言葉だ。キアは、日本や京都の風土、四季、食材、既存の調理法を解釈して料理をつくる。堺部は、キアの料理をさらに解釈してドリンクをつくる。最後に、彼らの才能やクリエイション、ゲストの反応を宮下が解釈して、LURRA°のコンセプトをさらに強固なものにする。3人の個性はそれぞれなのにサービスへの考えはブレていない。お互いに尊敬している態度が伝わってくる。

自分が表現できる仕事、しっくりくる場所を探して旅した宮下の20代は、夢と一体化しようともがき、それをかなえるまでの時間だった。「30歳を迎えるのが楽しみ」と語る表情に、充実感と静かな自信がみなぎっていた。店内で揺らめく炎のように。


デザートは「irori(いろり)」と呼ぶオーバル(楕円形)テーブルで。ほかのゲストと談笑するアットホームな雰囲気


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11月7日(土)13:30〜
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宮下拓己◎1990年、東京・国立市生まれ。フランス『ミシェル・ブラス』で研修後に帰国、サービスへ転向。大阪、東京のレストラン、オーストラリア『VUE DE MONDE』を経て、ニュージーランド『Clooney』ヘッドソムリエ。2017年帰国、2019年6月LURRA°を開業。

11月2日(月)21時から、Forbes JAPANの公式Instagramに、宮下氏と、東京・目黒の「kabi」の安田翔平氏が登場!
「元同僚」でもあるふたりが「型破りなレストランができるまで」をテーマに語り合います。

文=神吉弘邦 写真=平岩 享

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