調査会社デジタルコマース360の最新リポートによれば、北米の大手オンライン小売事業者が展開するEコマースサイトの推定24%が、プライムデーと歩調を合わせた「ホリデーをテーマにしたメッセージ」を利用することで、プライムデーの熱狂に一枚噛んだという。
ここで思い出してほしい。プライムデーが実施され、少し早いホリデーショッピングの熱狂が起きたのは10月13~14日のことだ。筆者の計算によれば、クリスマスの週まではあと10週間近く、ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)までも、あと6週間ある。
「バック・トゥー・スクール」の宣伝(9月から始まる新学年に向けた商戦の広告)が7月5日に始まったり、地元ラジオ局がクリスマスキャロルを11月1日に流し始めたりする気の早さが信じられない、というタイプの消費者であれば、このニュースを聞いて頭が爆発しているかもしれない。だが、2020年の教訓が何かあるとするならそれは、「そうだね、考えてみればそれもいいんじゃないか」という態度も、先を見越した戦略のひとつかもしれないということだ。
ホリデーシーズンのショッピングを早めることにした小売業者と買い物客は、かなりの数にのぼっている。デジタルコマース360のリポートのなかで、ジェシカ・ヤング(Jessica Young)はこう書いている。「集まったデータからすると、相当な数の小売業者が、大規模セールで消費者を誘い込み、早期のギフト購入を促している。アマゾンとそれ以外の業者とで価格を比較して購入しようとする客たちによるウェブトラフィックの増加を利用しているのだ」
さらにヤングによれば、買い物客の39%は、10月末までにホリデー用のショッピングを始めるつもりでいるという。この割合は、昨秋の27%から上昇している。
今年は、多くの人が自宅からあまり離れず、遠方にはお祝いの気持ちを配送で届けることが予想される。そして、郵便や配送サービスがもともと逼迫しているため、ホリデーショッピングを早めたいと考える消費者たちも多い。彼らは、今年は早めにスタートを切ろうと考えている理由として、郵便の遅延や、パンデミックに伴う人ごみ回避のためのオンラインショッピング関連トラフィックの急増などを挙げている。