ユーザーから「中の人」に。この逆境を超え、旅人と地域が繋がる世界をもう一度

Airbnb コミュニティコーディネーター 横田博之氏

世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームAirbnb(エアビーアンドビー)と聞けば、「知っている」と答える人は多いだろう。

しかし「この会社の人たちがどんな仕事をしているか」と聞かれたら、どうだろう? サービスのPRやマーケティング、プラットフォーム開発、宿泊中のトラブルに関するカスタマーサポートなどが一般的なイメージかもしれない。

同社には「コミュニティコーディネーター」という職種があるが、聞いて、ピンと来るひとは……うん、きっといないだろう。

今回登場する横田博之氏の、Airbnb入社当時の肩書きがまさにそれだ。

新卒入社し数年勤めた広告代理店を辞め、ニューヨークで日本食レストランの運営に携わった横田氏。帰国後はAirbnbのコミュニティコーディネーターとして、宿を提供するホストを多角的にサポートしている。

この仕事のやりがいや苦労、そして仕事を通して実現したい世界観を横田氏に聞いてみよう。


ホームシェアを日本に根付かせる、それがこの仕事のミッション


まずは僕から、聞きなれないコミュニティコーディネーターの仕事について説明します。そのミッションは「ホームシェアリングを日本に根付かせるためのコミュニティを形成する」こと。

Airbnbの主なサービスには、宿泊場所を提供する「ホスト」と、宿を利用する「ゲスト」のマッチングをお手伝いするサービスがあります。

近年では車や家具など様々な所有物をシェアするシェアリングエコノミーが流行しています。そのなかで私たちは、部屋や家を共有する「ホームシェアの普及」をお手伝いしているのです。

コミュニティコーディネーターは、周辺住民に対する配慮やマナー、運営時に起こるトラブルの対処法などを共有できる場や機会をホストに提供しています。また、ホストがホームシェアを行いやすくするために、自治体や商店街との仲人役を務めることもあります。

全てはホームシェアを日本に根付かせるために、です。

なぜ、この仕事が必要なのか。それは、ホームシェアは地域と共にある事業だから。

運営には地域の住民や商店をはじめ、同じ宿泊業の旅館やホテルにも配慮が求められます。気配りが足りなければ周囲からの反発が増え、規制が増えてしまうこともある。そのような事態を防ぎ、地域の人達からホームシェアを受け入れてもらうために僕たちがいます。

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文=鈴木雅矩

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