カルチャーの窓から

RoofTop37

この夏、サウナ好きの間でまことしやかにささやかれたのが、「ルーフトップ」「完全貸切」「住所非公開」そして「最高の設備を備えた」会員制サウナがあるらしい、という噂。

新型コロナウイルスの流行下にあってはいかに百戦錬磨のハードコアサウナーといえどサウナ通いを自粛をせざるを得なかったなかで、プライベート空間を持つ施設の登場はなによりも待たれたものだった。

この「RoofTop37」という名称の謎めいた施設、予約枠が開放されると瞬く間に埋まってしまう人気ぶりとか。なんでも、利用者たちはここで会議や合コンを開いたり、誕生日会に使うカップルまでいたりするらしく、普通の施設では見えなかったサウナの潜在需要が顕在化しまくっているのが面白い。



プライベートサウナの話でいうともうひとつ。今年11月に神楽坂のホステルの一階にオープンする完全個室サウナの「tune」も、プレスリリースの解禁とともにサウナーたちの間で情報が駆け巡り、大きな話題となった。

昨今のサウナブームは、脈絡のない打ち上げ花火のようなブームではなくて、新旧世代のサウナ業界人や愛好家たちが長い時間をかけて築き上げた努力と愛情の賜物だ。それによって、いまやサウナはコミュニケーションやメンタルヘルスの観点からも注目を集めていたり、企業がブランディングイベントに採用したりと、大きなポテンシャルを秘めた優れたコンテンツとして扱われ始めている。

裾野が広がり続けているサウナシーン。それだけに、次の一手を模索する競争も日々激しくなっている。そのなかで、上記のルーフトップの会員制サウナやソロサウナ施設は、時代の半歩先を行く好事例と言えるだろう。

実はルーフトップサウナを仕掛け、また、ソロサウナtuneのサウナを監修をしたのは、同じ人物だ。「サウナ師匠」を名乗るTTNE代表の秋山大輔さんである。

過去には「東京ガールズコレクション」をはじめさまざまなイベントプロデュースを務めてきた秋山さん。かねてから重度のサウナーで、北欧のサウナ文化をモデルに日本にもスタイリッシュにデザインされたサウナ文化を根付かせたい、という思いから2017年にTTNEを発足。サウナー用のアパレルブランドや年に一度のサウナの格付けアワード『サウナシュラン』など、ユニークなプロジェクトを数多く仕掛けてきた。

コロナ禍の状況を逆手にとったかのようなこれらの施設たち。しかし、こうした「プライベート」「ラグジュアリー」といったキーワードを据えたコンセプトは、コロナ禍以前から構想されていたものだったという。

文=三木邦洋 写真=谷川慶典 編集=千野あきこ

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