英紙ランカシャー・テレグラフによると、渡航者の中は検査所から送られてきた電子メールを改ざん・印刷し、フライト搭乗前に空港職員に見せている人もいる。英ブラックバーン在住の男性は同紙に対し、新型ウイルス陰性を告げる友人の電子メールを改ざんしたと明かした。男性は、電子メールの名前を自分のものに変えて印刷し、空港に持参してパキスタンへの便に搭乗した。
「とても簡単だ。新型ウイルス検査を受けた知り合いは、誰にでもいる。その陰性結果をもらって、名前と生年月日を自分のものに変えて、検査日も期限の要件を満たすようにする。メールをダウンロードし、内容を変えて印刷するだけだ」
ランカシャー・テレグラフ紙は、新型コロナウイルスの検査結果偽造を請け負う闇市場がイングランドに存在することも突き止めた。ブラックバーンでの料金は50ポンド(約7000円)、ブラッドフォードでは特急料金が150ポンド(約2万円)だ。
海外渡航に必要な陰性証明の要件は、目的地によって異なる。デルタ航空やユナイテッド航空のウェブサイトによると、一部の国では陰性結果を印刷した紙を証拠として受け付けている。一方、ネット上でアカウントを作成して陰性の検査結果をアップロードし、到着前に認証を受けることを要件としている国もある。
米国内での州間移動については、2週間の隔離期間を過ごすか陰性結果の証拠を提示するかを選べる州が多いが、陰性の証拠をどのように確認するかは州によって異なる。
例えば、ハワイ州への訪問者が隔離期間を免除されるには、ネット上でユーザーアカウントを作成し、指定検査機関で事前に検査を受けた上で、陰性の検査結果をアカウントにアップロードし、認証を受ける必要がある。最終的に、各区間につき1つのQRコードが電子メールで送られてくる。