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今回始まった事前検査プログラムは当初、8月1日から開始されるはずだった。しかしハワイでは7月下旬から感染者が急増し、オアフ島では8月下旬から2度目のロックダウン措置がとられる事態まで悪化。9月1日開始に延期された事前検査プログラムは再び持ち越しとなり、4週間のロックダウンが終わった後、ようやく「3度目の正直」で10月15日から始まったのだ。

1日300人以上の新規感染者がいたピーク時に比べると、ロックダウンにより感染者数は落ち着いてきたが、それでもハワイ州の人口がわずか141万人しかいない点を考慮すると、決して油断はできない状態というのが、現地での実感だ。だから事前検査プログラムの開始で州外の人々を受け入れることを時期尚早と考える人もいただろう。

しかし2度にわたるロックダウンと半年以上の観光業閉鎖がハワイにもたらした影響は、もう看過できるものではない。ハワイの失業率は、7月は13.1%、8月は12.5%、9月は15.1%と、依然として全米において高い水準だ。

ハワイのコミュニティサイトなどに出る労働者募集の告知はごくわずかで、ハワイでは仕事がほとんどないのは明らか。ハワイ大学経済調査機構は、非農業部門の雇用数が2019年の65万6100人から2020年は56万5300人と、9万8800人も減少し、このような減少は2023年まで続くと予想。職を求めて、ハワイからアメリカ本土などに移り住む人が増加するとみられている。

そのため、感染者数だけを見ると安心して観光業を再開できる状態とは言い難いが、経済状況とのバランスを見て、再開へ踏み切らざるを得なかった部分があるかもしれない。

11月には営業を再開するホテルがさらに増える予定で、本格的なホリデーシーズンに向けて、少しずつハワイが動き出しているようだ。

日本ーハワイ間の観光客受け入れを準備


ところで、気になるのが日本とハワイ間の旅行客の受け入れについてだ。現在のところ、事前検査プログラムは、主にアメリカ本土から訪れる訪問客を対象としたものだ。しかし、日本はハワイを訪れる訪問客数が、アメリカ本土に次いで2番目に多い国。今回の事前検査プログラムが順調に進めば、次のステップとして日本からの訪問客を受け入れたいと考えるのは当然の流れだ。

ハワイ州では10月14日の段階で、日本の厚生労働省が認可する新型コロナウイルスの「核酸増幅検査」(NAT)を事前検査プログラムの検査対象として、アメリカ以外の国で初めて承認した。あとは日本の指定医療機関が確定すれば、日本の方も事前検査で「陰性」を証明できるようになる。

それに加え、ハワイ州観光局では、日本の方に向けて日本語で、ハワイへの渡航プロセスや現地の感染状況を紹介する特設サイトを開設。さらにハワイ州知事は27日、日本ーハワイ間で11月に10便が運航予定の臨時便について、11月6日にハワイに到着する便から事前検査プログラムの対象とすることを発表した。ハワイ側では日本からの訪問者受け入れの準備を着々と進めている印象だ。

ただし、日本ではアメリカを含め世界中のほとんどの国から入国する人に対して、日本到着後に14日間の自己検疫を求めている。当然ハワイから日本に帰国する際も対象となるため、まだ自由にハワイ旅行を楽しめる状態ではない。

文=佐藤まきこ

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